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第7ステージ<レポート>

総合優勝を決める大一番。チーム・ブリッジレーン包囲網を切り抜けたクリス・ハーパーが総合優勝をたぐり寄せる。ステージはパブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー)が制してツアー・オブ・ジャパン初優勝!

日時:2019年5月25日(金曜日)
天候:晴れ 31℃
内容:NTN presents 2019 ツアー・オブ・ジャパン第7ステージ 伊豆
来場者数:21,500人

5月25日(土)、ツアー・オブ・ジャパン7日目 平坦区間がなくアップダウンのみで構成される過酷なコース。日本サイクルスポーツセンター周回コース122.0km。ここまでの総合成績の状況は、タイムギャップ1分差までに5名、2分差まで見ても10名と混戦模様の展開。この伊豆ステージで総合が決定付けられるとあって、激しい戦いが予想される。今日、会場で観戦するファンはプロロードレーサーが総合優勝を勝ち取るための本気で本物を勝負を目撃することになる。

スタート前
アクチュアルスタートから早速アタック合戦が始まり、総合リーダー、クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)に対して、総合2位を抱えるチーム右京を始め、宇都宮ブリッツェン、そして総合争いからは脱落したものの、何とか一矢報いたいディフェンディングチャンピオンを擁するキナンサイクリングチームが中心にレース序盤から揺さぶりをかけて行く。2周回目に入り、マルコス・ガルシア・フェルナンデス(キナンサイクリングチーム)、ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京)を含む8名の強力な逃げ集団を形成してチームブリッジレーンに強烈なプレッシャーを与える。この危険な逃げ集団に、レースリーダーのクリス・ハーパー自らメイン集団の先頭を引いて懸命にその差を詰めて行き3周回目に入るところでようやくキャッチアップ。このペースアップもあって、メイン集団は2周回目を終えた時点で30~40名程度まで絞られるという厳しい展開を見せる。3周回目、総合に関係のない8名の逃げ集団が形成され、メイン集団はこれを容認してようやくレース全体に落ち着きを取り戻した。その8名の逃げ集団から更にアタックを仕掛けたのがフェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)。

フェデリコ・ズルロ
タイムギャップは順調に広がり、折り返しの5周回終了時には第2集団まで2分44秒、メイン集団とは4分45秒なった。6周回目に入りメイン集団が徐々に追走を開始したその矢先の下り区間で、総合3位のメトケル・イヨブ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリング・チーム)、総合4位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)が一緒に落車。宇都宮ブリッツェンのアシスト達はバイクを完全に停止して増田成幸のレース復帰を待ち、再びメイン集団へ連れ戻すべく懸命に引き上げる。一方、メトケル・イヨブはこの落車でDNFとなった。8周回目に入り、第2集団がようやくフェデリコ・ズルロを吸収し、改めて逃げ集団を8名で形成。追走するメイン集団とのタイムギャップは1分20秒。この逃げ集団に総合9位、1分49秒遅れのサム・クローム(チーム右京)が含まれているため、危険を感じたクリス・ハーパーがメイン集団から飛び出し、10名の新たな追走集団を築き2周回を残して逃げ集団に対して50秒差まで詰める。更に前の逃げ集団を追い込んで行き、9周回目終盤にはキャッチアップに成功し最終周回へ。そこからパブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー)が単独でアタック。

パブロ・トーレス・ムイノ
総合を脅かす逃げではないと判断したメイン集団はこのアタックを容認。そのまま、独走したパブロ・トーレス・ムイノはツアー・オブ・ジャパン初優勝。総合上位勢からの度重なる攻撃を、チーム力とそれにもまさる自力で切り抜けたクリス・ハーパーはトップから16秒差の8位でフィニッシュ。総合で2位のベンジャミ・プラデス・レヴェルテルに40秒差をキープして、いよいよ明日は最終東京ステージ。クリス・ハーパーは総合優勝をほぼ手中におさめたが、混戦の今大会は最後まで何が起こるか分からない状況で、最後まで目が離せない。

Finish
パブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー)のコメント:
「今日のレースに勝てて、とても嬉しい気持ちです。チームはツアー・オブ・ジャパンに向けて非常に良い準備をしてきました。今年の前半のレースであるツアー・オブ・ジャパンに勝てたことは嬉しいです。日本のチームですし、ホームである日本のレースで勝てたので今夜はみんなでお祝いになると思います。」

クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)のコメント:
「今とてもハッピーな気持ちです。今日のコースはとてもハードなコースでした。このグリーンジャージをキープするためには、今日はとても長い戦いになりました。チームメイトがとても良い仕事をしてくれて、グリーンジャージをキープするために力を尽くしてくれたので、今日はチームメイトに感謝してもしきれないくらいです。」

第7ステージ順位
1位 パブロ・トーレス・ムイノ(インタープロサイクリングアカデミー) 3時間35分58秒
2位   ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック) +11秒
3位 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ) +11秒
区間賞
個人総合時間賞(グリーンジャージ)
1位 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン) 17時間26分56秒
2位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテル(チーム右京) +40秒
3位 ホセ・ヴィセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ) +51秒
個人総合時間賞
個人総合ポイント賞(ブルージャージ)
1位 フェデリコ・ズルロ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) 67pt 
2位 レイモンド・クレダー(チーム右京) 67pt
3位 ベンジャミン・ヒル(リュブリャナ・グスト・サンティック) 59pt
ポイント賞
個人総合山岳賞(レッドジャージ)
1位 フィリッポ・ザッカンティ(NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ) 33pt
2位 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン) 15p
3位 エミール・ディマ(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー) 12pt
山岳賞
個人総合新人賞(ホワイトジャージ)
1位 クリス・ハーパー(チーム・ブリッジレーン)
2位 ドリュー・モレ(トレンガヌ・INC・TSG・サイクリング・チーム)
3位 小林海(ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)
新人賞
チーム総合順位
1位 チーム右京
2位 マトリックスパワータグ
3位 インタープロサイクリングアカデミー
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