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ツアー・オブ・ジャパン2025 第6ステージ 富士山ステージ <レースサマリー>

⽇時:2025年5⽉23⽇(金曜⽇)
天候:曇り10℃(富士山五合目須走口)
来場者数:12,000人
ステージアンバサダー:飯島誠
ホームステージチーム:日本ナショナルチーム

JCLTEAMUKYOの鮮やかなワンツーフィニッシュ
ナホム・ゼライ・アラヤが富士山を制し、アレッサンドロ・ファンチェルが総合リーダーに返り咲く!

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最大の山場となる富士山ステージ。富士スピードウェイ西ゲートをスタートし、東京2020の個人タイムトライアルコースを使用した11.5kmの周回を4周回(ニュートラル区間を含む)した後にふじあざみラインを登る66.6kmのルートに85名の選手たちは挑んだ。
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レース開始直後から激しいアタックの応酬が繰り広げられ、岡篤志(宇都宮ブリッツェン)、メトケル・イヨブ(トレンガヌサイクリングチーム)、ヴァウター・トゥーサン(ワンティ・NIPPO・リユーズ)、レオン・ピカー(チームブッファーズ・ジェスチョンドパトリモワンヌ)、ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(マトリックスパワータグ)の5名が抜け出しに成功する。
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1周目と3周目完了時に設定された中間スプリントポイントはいずれも岡が先着。10ポイントを稼ぎ、ポイント賞ジャージのアレッサンドロ・ファンチェル(JCLTEAMUKYO)まで2ポイント差に詰める。岡は東京でのポイント賞獲得に向け今日できるベストの走りを見せた。
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一時は2分15秒差を稼ぎ出した先頭の5名だが、あざみライン突入時には1分10秒まで減少。登坂に入り、キナンレーシングチームが集団のペースを上げたため、残り9kmを切って逃げはすべて吸収された。
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残り6kmを切った旧馬返でヨハネス・アダミエツ(レンベ・ラド・ネット)がアタック。ファンチェルとベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)が追い、先頭は3名になる。後続で総合リーダーのシモーネ・ラッカーニをサポートしていたナホム・ゼライ・アラヤ(共にJCLTEAMUKYO)が、残り4kmを切ったところで前を走るファンチェルのグループに単独で追いつく。
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アラヤの合流を見たファンチェルはアタックして飛び出す。アラヤにマークされたダイボールは動けない。さらに攻撃的な走りを見せたアダミエツはここで脱落した。ダイボールの走りを見極めたアラヤは一気に加速し、前を行くファンチェルに合流。JCLTEAMUKYOの2名対ダイボールという構図に持ち込んだ。
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登坂で強力な走りを見せるアラヤは時折遅れかけるファンチェルをケアしながらペースメイク。追いすがるダイボールとの差を徐々に開いていく。
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残り250mで総合リーダーへの返り咲きを確信したファンチェルがアシストに徹したアラヤを先行させる。この日誰よりも強力な登坂を見せたアラヤは、軽やかな加速であざみライン山頂のフィニッシュラインをトップで通過しステージ優勝に輝いた。6秒差のステージ2位に入ったファンチェルは、総合リーダーに返り咲きを決め、アラヤと健闘を称え合う。
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JCL勢に唯一割って入ったダイボールは最終的に23秒遅れのステージ3位。「勝ちたかったがJCLTEAMUKYOが強すぎた。今日できる限りの走りをしての3位だから満足するべきだろう」と過去出場したTOJの富士山ステージでTOP3に入ってきたベテランはこの日を振り返る。
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ダイボールに続いたのは総合リーダーのラッカーニ。36秒遅れのステージ4位に入り、総合2位に留まった。終わってみればこの日もJCLTEAMUKYOの独壇場。今大会のステージ3勝は全て違う選手によるものであり、個人総合時間賞、個人総合ポイント賞、個人総合山岳賞の主要3賞でもトップに立つ。
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富士山ではチームワークが機能した上で理想的な結果を出したJCLTEAMUKYO。前日と異なり、全ての選手の表情は晴れやかだった。今シーズンの新規加入組で多く構成されるチームにとって最難関ステージで協力し勝利を掴んだことの意味は、決して小さくない。
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ステージ優勝ナホム・ゼライ・アラヤ(JCLTEAMUKYO)のコメント:
「チームとしては総合リーダージャージを守ることが目標でした。ファンチェルと2人になったときに、フィニッシュまで引っ張っていってほしい、その後でステージは勝ってくれと彼が言ってくれました。飯田では暑さもあり、総合で遅れてしまいましたが、今日の走りには満足しています」

個⼈総合時間賞(グリーンジャージ)・個⼈総合ポイント賞(ブルージャージ)
アレッサンドロ・ファンチェル(JCLTEAMUKYO)のコメント:

「富士山は短いがハードなステージでした。特にラストは標高の高さにだいぶ苦しめられました……。残り5-6kmで3人の選手が飛び出したときに追いかけました。ラッカーニが後ろのパックにいて苦しそうだったので、自分のペースを刻んで一人で走ったのです。そのあとナホムが追いついてくれて、前を引いてくれました。彼が今日最も強い選手でした。私たちが強いチームであることを示せて嬉しく思います」

個⼈総合⼭岳賞(レッドジャージ)ニコロ・ガリッボ(JCLTEAMUKYO)のコメント:
「キツいステージでしたが、チームはステージ優勝とリーダージャージのキープを果たせたので、完璧な一日でした。今夜チームのミーティングで明日どう走るかを決めますが、可能性があれば明日逃げに入って山岳ポイントを加算したいですね」

新人賞(ホワイトジャージ)マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ)のコメント:
「富士山を自転車で登るのは法律で禁止するべきですね(笑)今日の結果には少しがっかりしています。脚の調子は良かったですが、うまく走れませんでした。最終的にはステージTOP10だったので、まぁ良かったというところですが、狙っていたのはもっと上の順位です。でも新人賞ジャージを守りましたし、何かやるにはまだレースは2日残っています」

文:小俣雄風太

第6ステージ富士山ステージ順位
1位 ナホム・ゼライ・アラヤ(JCLTEAMUKYO)2時間9分48秒
2位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLTEAMUKYO)+6秒
3位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+23秒

個⼈総合時間賞(グリーンジャージ)
1位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLTEAMUKYO)14時間07分42秒
2位 シモーネ・ラッカーニ(JCLTEAMUKYO)+21秒
3位 ベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)+1分13秒

個⼈総合ポイント賞(ブルージャージ)
1位 アレッサンドロ・ファンチェル(JCLTEAMUKYO)48pt
2位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン)46pt
3位 シモーネ・ラッカーニ(JCLTEAMUKYO)34pt

個⼈総合⼭岳賞(レッドジャージ)
1位 ニコロ・ガリッボ(JCLTEAMUKYO)22pt
2位 ナホム・ゼライ・アラヤ(JCLTEAMUKYO)20pt
3位 テグシュバヤール・バッサイカン(ルージャイ・インシュアランス)19pt

個⼈総合新人賞(ホワイトジャージ)
1位 マクサンス・プラス(ワンティ・NIPPO・リユーズ)
2位 ウィル・ヒース(シーキャッシュXボディラップ)
3位 森田 叶夢(日本ナショナルチーム)

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