ウィーラースクール指導者講習会
先週末に、目黒の自転車総合ビルに於いて、今回で7回目となる「TOJキッズ ウィーラースクール(自転車安全教室)指導者講習会」を開催いたしました。
私が所属している「一般財団法人日本自転車普及協会」は、国内最大規模の国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン」の大会事務局を担当しているわけですが、一方で、協会が存在する主な理由として、「“自転車が果たす社会的な役割”を広く一般に啓発することを目的として、広範囲な分野にわたる事業を行う。」ということが定款などで謳われています。
ただ単に国際自転車ロードレースを開催して終わり、ということではなく、国際自転車ロードレースを開催することをきっかけとして、「自転車が果たす社会的な役割」を提案しつつ、それらを実現していくことが最終的に目指すべき業務となります。
ですから、「ツアー・オブ・ジャパン」を開催することで生まれる様々な可能性というものを、いかにして社会貢献へと繋げていけるかについて我々は日々考えていく必要があります。
そういった意味でも、「TOJキッズ ウィーラースクール(自転車安全教室)指導者講習会」が持つ意味というのは決して小さくないといえます。
国際自転車ロードレースを開催するということは、チャンピオンスポーツという「夢」を生み出すコンテンツを通じて「自転車が持つ可能性」を広く周知し、イコール「スポーツとして自転車に乗るひとの数を増やしていく」というのがその先にある目的となります。
「自転車に乗るひとが増える」ということは、競技としての底辺の広がりにも繋がり、確率論的には「世界で戦える選手」が誕生する可能性も向上していきます。
しかし一方で、自転車に乗るひとが増えるということは、「自転車に乗ることで発生するリスク」に晒されるひとの数が増えるということにも繋がります。
ポジティブな部分を啓発するのであれば、同時にネガティブな部分に対する取り組みにも着手しなければならないのは言うまでもありません。
現在、日本国内の自転車界には、野球界に於ける「野球おじさん(どこの街にもいる子供たちに野球の基本を教えられる人材)」の様な存在は数えるほどしかいません。
今後、そういった人材をひとりでも多く生み出していくことで、安全啓発を促し、その結果、本当の意味での底辺拡大に繋がっていき、それが、まわりまわって「ツアー・オブ・ジャパン」の未来を形成していくことに繋っていくものと考えています。
引き続き広い視野を持ちながら様々な取り組みに尽力していきたいと思います。