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栗村修のワールドツアーへの道

KURIMURA's Blog

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現在、フランスに於いて世界最大の自転車ロードレース「ツール・ド・フランス」が開催されています。

クイーンステージとなる第9ステージを終え、ようやく最初の休息日を迎えたわけですが、全日程の半分を消化したところで早くも多くの有力選手がレースから離脱し、残念ながら「異常事態」の様相を呈してしまっています…。

ゲラント・トーマス(チームスカイ/セカンドエース/落車骨折)
アレハンドロ・バルベルデ(モビスターチーム/セカンドエース/落車骨折)
リッチー・ポート(BMCレーシングチーム/エース/落車骨折)
アルノー・デマール(FDJ/エーススプリンター/体調不良)
マーク・カヴェンディッシュ(ディメンションデータ/エーススプリンター/落車怪我)
ペテル・サガン(ボーラハンスグローエ/エース/失格)
ラファル・マイカ(ボーラハンスグローエ/総合エース/落車怪我)
ロバート・ヘーシンク(チームロットNL/エース/落車怪我)
ヨン・イサギレ(バーレーンメリダ/エース/落車怪我)

最初の休息日を終え18人の選手がレースを去ってしまいましたが、実にその半数にあたる上記9人のスター選手たちも含まれてしまっていることから、一部のファンの皆さんから「レース主催者(ASO)はもっとなんとかできないのでしょうか?」といった切実な声が挙がっていたりもします…

どうしても、私の様な「元選手・元監督」という現場の人間からすると、「これもロードレースの一部」といった根底にある「受け入れ・諦め」といった種類の感情を持ってしまうとともに、現職の「レース主催者」という立場で考えてみても、「一般公道をつかったライン型の3,500kmのレースを完璧に安全に開催するのはまず不可能」という、現実目線に立った「割り切り・諦め」の感情も生まれてしまったりもします。

結局のところ、自転車ロードレースというスポーツ(どのスポーツに言えることではありますが…)は、「レースを創る側」、「レースを走る側」、「レースを伝える側」、「レースを観る側」が、それぞれの立場に於ける「安全のための自主コントロール」をしっかりと行うことができなければ、事故を100%防ぐことはできないという「現実」の上に成り立っているわけです。

そして、今年の「ツール・ド・フランス」で有力選手のリタイア率が高いというのは、彼らが勝つため(結果を出すため)に無理をしなくてはいけない(安全のための自主コントロールができない)環境が徐々に整いつつある(成果主義)ということを証明している様にも感じます。

元々、自転車ロードレースというスポーツは、どこかに「スポーツ=旅」という要素を持った「余白のある」競技でした。

それが、時代の変化とともに、テクノロジーを駆使してギリギリの状況下で勝利を求める「余白のない」競技へと変貌してきました…。

こういった環境下でこれからのレース主催者ができることはいったいなんなのか。

改めて「コントロール」ということについて考えさせられる7月となっています。

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