時間とモチベーション
現在、栗村の主要な肩書は、「一般財団法人日本自転車普及協会 主幹調査役」と「ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター」、「J SPORTS サイクルロードレース解説者」となっています。
解説者としての業務というのはどちらかというプレイヤー(受け身)であり、放送という用意された箱のなかでどれだけのパフォーマンス(究極の意味での評価は視聴者数の維持と拡大にどれだけ寄与できるか→自転車界にとってもプラス)を発揮できるかが重要になってきます。
ある意味で選手時代と同じ感覚であり、成績(パフォーマンス)が残せなくなれば仕事は無くなり、また、チーム(番組)が消滅しても仕事はゼロになります。
一方、「ツアー・オブ・ジャパン 大会ディレクター」としての業務はプレイヤーではなく、求められている質的にはマネージャーとしての役割になるのだと理解しています。
一応、「ディレクター」なのでプレイヤーとしての役割も多々ありますし、歴史(=すでに出来上がった仕組み)があり、更に巨大な大会故に実態は「中間管理職」的であることは否定しません。
但し、どんな時でも必ず週1回このブログを書き続けているのは、「ツアー・オブ・ジャパンが生きていること」を周囲に証明し、そして、「ツアー・オブ・ジャパンがなにを考えて、どこに向かっているのかを提示し続ける義務」を自分自身が担っていると自負しているからです。
「価値を示し」、「向かうべき方向を示し(理想的には最新かつ有効なシステムもつくる)」、そしてあとは「調整役に徹する(もちろん実務もこなしますが…)」。
そして、次のステップとしてこれから本格的に向き合わなければならない業務が「日本自転車普及協会 主幹調査役」としての仕事になります。
「名は体を表す」という言葉がありますが、「自転車普及協会」は読んで字のごとく、自転車を普及させるための協会です。
ある側面に於いては、自分自身、すでに「自転車を普及させるための仕事」をずっとやってきたので、これまで通りの活動でも問題はないのかもしれません。
しかし、この団体名を持つこの団体でこれから自分自身がやるべきことというのは、本当の意味で「自転車の普及」に関わる業務やシステムなどを創ることをサポートしていくことなのだと感じています。
私の場合、レース現場出身なので、いまはどうしても切り口がレースやイベントとなってしまいますが、結局のところ、スポーツとしての自転車の普及を考えた場合でも、各種交通・道路問題などにも着手する必要があり、「自転車が普及する」という言葉が持つ意味を追求していくと、それは「解説者としての自分」、「大会ディレクターとしての自分」、「自転車人としての自分」、すべてに関係していくことになります。
問題は、人生に於いての時間が限られていること、その人生のなかで発揮できるモチベーションの総量にも限界があることです(もっと根本的なところでは自分自身の能力×時間やモチベーションで成果が生まれるので能力そのものが重要ですが…)。
どちらも工夫次第で最大化できるのでしょうが、それでも遠回りをしている余裕がないことだけは確実なので、「時間・モチベーション・能力」を持ったひとと手を組みながら、最大かつ高難易度の業務に取り組んでいきたいと考えています。