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栗村修のワールドツアーへの道

KURIMURA's Blog

選手発掘

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先週の土曜日、東京・国立にある「一橋大学 兼松講堂」に於いて開催された「アドフェス2016」という大学生主催のイベントに「クライアント 及び 審査員」という立場として参加してきました。

私自身、今年の「ツアー・オブ・ジャパン」を終えて改めて感じたことというのは、「日本人選手の活躍が大会のバリューや盛り上がりに大きく関係している」ということでした。

当たり前といえば当たり前の内容なのですが、近年の国内主要UCIレースに於いてはこの部分がそれなりに欠落してしまっているのは一つの事実でもあります。

そんな中、今年は新城幸也選手の出場と、そして奇跡のステージ優勝により、「ツアー・オブ・ジャパン」全体が大きく評価されるという、ある種の逆転現象を体験しました。

もちろん大会自体が進化した部分もありましたが、やはり、新城幸也選手の出場とステージ優勝がなければ、大会全体の盛り上がりや評価ももう少し落ち着いたものになっていたと感じています。

レース主催者が選手発掘や強化に乗り出すのは本来の姿ではないものの、結局のところ、「自転車界全体のフィロソフィー」 → 「自転車界全体の中長期計画」 → 「自転車界全体のシステム」 → 「魅力ある大会」 → 「魅力あるチーム」 → 「強い選手」というすべての要素が整わなければ、本質的なバリューを世に提供することはできません。

また、それぞれが輝くためにも、上記に挙げた各項目が何一つ欠けることなく、同時進行的に成熟を続けていかなければなりません。

現在、私自身が水面下(本当はもっとスピード感を伴った動きをしたいのですが完全に私自身のキャパがオーバーフローしているため水面下という表現に逃げてしまっています…)でモソモソと進めている「主催者協議会構想(国内主要レース主催者の横の連携強化)」や、「JrIDE PROJECT(才能のある若者の発掘)」は、まさに上記項目を支援し繋いでいくものになります。

「宇都宮ブリッツェン」という新しい概念となる地域密着型チームのベース作りを終えたいま、今度は国内最大のステージレースである「ツアー・オブ・ジャパン」を正しい軌道に乗せるための作業に時間を費やしています。

上記項目と比べてみると、本来あるべき → の向きとは逆行し、川をさかのぼる鮭のような動きになってしまっていますが…

前置きが長くなってしまいましたが、今後「ツアー・オブ・ジャパン」のバリューを高めていくためには、それぞれが相関関係にある他の項目についても可能な限り力を入れていかなくてはいけないということになります。

冒頭に書いた「アドフェス2016」とは、学生広告の頂点を決める大会であり、「学生広告の甲子園」とも形容され、今年14年目を迎える歴史あるイベントです。関東、関西、中部地区の13の大学から日々広告に向き合ってきた学生たちが一同に集い、自分たちのアイディアを競いあって、最優秀プランについてはクライアント企業とともに実現に向けて動き出すという、学生のアイディアがカタチとなり、世に響いていくというユニークな取り組みとなっています。

ちなみに、これまでのクライアント企業(ブランド)は以下の内容となっています。

Wantedly/NTTdocomo/カロリーメイト/Google+/ハミルトンウォッチ/日経電子版/ARMANI EXCHANGE/UrbanMobility/カルピス/Clix/ポラロイドカメラ/Zoff/メグミルク

そうそうたる大企業が名を連ねていますが、今年はクライアントとして「JrIDE PROJECT」が手を挙げ、「ツール・ド・フランスで勝てるような化け物(自転車未経験の若者)を発掘するための広告戦略を考えてください」というお題を出すことになりました。

厳しくて、危険で、国内ではマイナーで、システムが確率されていないこのスポーツへ、どの様にして才能のある若者を導くべきかを、若い大学生たちが一生懸命に考え、そして真摯にプレゼンを行ってくれました。

ロードレースを知らない彼らが様々なデータを調べ、そして、発掘すべき若者たちと同じ若い感性で「どうすれば化け物をみつけられるか」を考えてくれたこと自体に大きな価値があったと感じています。

上位入賞校の学生が涙をみせたり、「この1ヶ月半ロードレースと栗村さんのことだけ考えていた」などのコメントを聞けて、こちらとしてもTOJ前後の非常にタイトな時期だったものの逃げずに取り組んでよかったなと感じました。

優秀賞を獲得した大学が提案した企画内容などについては、これから改めて内容を精査し、今後どの様にして具体化していくべきかを考えていく予定です。

こういった活動というのは、一歩ずつ、そして、時には「三歩進んで二歩下がる」ということも経験しながらも、それを乗り越えつつ粘り強く進めていくものだと悟っています。

人の評価とはとても移ろいやすいものなので、まずは自分たちが持つ理念を崩すことなく、炎を消さないように大きな視野を持ちながら、将来、圧倒的な力で「ツアー・オブ・ジャパン」を制する若者の発掘にも取り組んでいきたいと思います。

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