地域への配慮
2016年3月12日(土)に、「ツアー・オブ・ジャパン 京都ステージ」の事前イベントとなる「けいはんな自転車フェス2016」が開催されました。
イベント会場となったのは、「ツアー・オブ・ジャパン 京都ステージ」のゴール地点となる「けいはんなプラザ」内イベントホールで、自転車芸人の団長安田さんや子供向け自転車教室「ウィーラースクール」でお馴染みのブラッキー中島氏らをお招きし、トークショーや、室内での自転車教室などを実施しました。
地元実行委員会の皆様の準備のお陰でイベント自体は盛況のうちに終わりましたが、個人的にはトークショー終了後の質問コーナーの際に受けた質問に、改めて気が引き締まる思いがいたしました。
初回開催を前に、地元の方々から挙がった質問の中に、以下のような内容の質問が含まれていました。
「ツアー・オブ・ジャパン開催が決まってからコース上にサイクリストの数が増えていますが、道幅の狭い上り区間などでサイクリストとすれ違う際にはヒヤッとすることがあります。大会当日はもちろんですが、大会開催時以外のサイクリストのマナーについても、対策や啓発は行いますか?」
この問題は「ツアー・オブ・ジャパン」に限ったことではなく、サイクリストが出現するあらゆる場所で問題となっている懸案事項の一つといえます。
全てではないにしろ、なぜ、一定数のサイクリストが問題視されてしまうのか?
問題を解決していくためには、なにが問題の原因になっているかを考える必要があると思います。
スポーツバイクが一般道で危険視される原因としては、一般的に以下のような内容が考えられます(あくまで一部のサイクリスト)。
1.スピードが速い
2.競争意識が働いている(アドレナリンがでている)
3.特別意識を持ってしまっている(ヘルメット被り、レーシングウェアをまとい、自慢のマシンにまたがると気が大きくなる)
4.車両としてのコミュニケーションツールが不足している(ママチャリよりかはむしろオートバイに近い存在にも関わらず、ストップランプやウインカー、クラクションなどの、いわゆる車でいう保安部品が不足している)
「1」については、スポーツバイクはたしかに自転車としては速度が速いですが、しかし、絶対的なスピードとしては、スクーターやオートバイなどに比べるとむしろ遅いと思います。
「2」と「3」については完全に乗り手の気持ちの問題。
そして「4」については自転車の構造の問題です。
上記「1~4」を、オートバイやクルマに置き換えると、たしかにどれも危険な車両の特徴と一致しますが、特に「2」と「3」については、ある意味で「タチが悪い」車両のドライバーが持つ精神状態に類似しているともいえます。
逆にいえば、自分の気持ち次第で最もどうにでもなるのも「2」と「3」であり、やはりサイクリストひとりひとりの自覚と責任感を改善していくことが急務であることを強く実感します。
正直、元選手である自分自身にも少なからず思い当たるフシがあるだけに、今後、大会を「地域の発展のため」のツールとして定着させていくためには、様々な啓発活動を同時進行的に進めていかなくてはならないと切に感じる次第です。