夢とシステム
『ツアー・オブ・ジャパン』 の運営業務というのは年間を通して発生しています。
もちろん大会が近づけば近づくほど忙しくなりますが、大会と真裏の時期でも繁忙期は存在しています。
実は、UCI公認国際ロードレースを開催する上で、『これさえあればバッチリ!』 といった明確な運営ガイドラインというのは存在してません。
国内に存在している各UCIレースのオーガナイザーは、それぞれの環境に合わせたやり方で試行錯誤しながら大会を企画し、そして運営を継続しています。
『ツアー・オブ・ジャパン』 の業務内容についてですが、日本という 『厳格な社会環境』、『東京などの大都市圏』 をコースに採用していること、その他もろもろを含めて、こなさなければならない 『実務』 の量はかなりの規模にのぼります。
また、『ツアー・オブ・ジャパン』 は、補助金申請の関係などもあり、 『各実行委員会形式』 という特殊な運営形態を採用しており、その構造もかなり複雑なカタチとなっています。
大企業と一緒で、『ひとりの人間がレースの隅々まですべてを完璧に把握する』 ことはもはや不可能であり、重要なのは 『人が大きく入れ変わっても安定して運営できる』 システムを構築することになります。
ただし、現実問題としてはやはり 『個の能力やノウハウに頼る』 部分が多々あり、大会の質や規模を維持するためには、大会に関わる多くの人たちの 『モチベーションの質』 を高めていく必要があるのはいうまでもありません。
盲目に 『システム化』 だけでを進めていくと 『人の気持ち』 が犠牲になってしまうので、『夢・チャレンジ』 ↔ 『システム』 という、相反する要素をバランスよく組み合わせながら、長・中・短期の目標を設定し、時には喜びを分かちあいながら皆で前に進んでいくのが理想的なのでしょう。
大きな部分では 『壮大な夢を語り』、短い時間軸では 『有効なシステムを構築』 する。
間違ってもこれらが逆にならないように、大胆に、そして慎重に進んでいきたいと思います。