奈良はサレルノが優勝、マシューが首位堅持
東大寺大仏殿中門前をパレード走行する選手
第14回ツアー・オブ・ジャパン奈良ステージが5月17日に開催され、レース序盤に4人で集団から飛び出した山岳スペシャリストのクリスティアーノ・サレルノ(25=デローザ・スタックプラスチック)が単独になってゴールまで逃げ切り優勝した。2位は前日の堺ステージで優勝し、総合1位のグリーンジャージをキープしたマイケル・マシュー(19=ジャイコ・スキンズ)。3位は鈴木真理(35=シマノレーシング)が入った。
急カーブが何カ所もある奈良ステージのコースは逃げが決まりやすく、ゴール手前約1kmは登りになるため、ヒルクライムを得意とする選手に向いている。
レースは序盤にサレルノ、ニック・アトケン(20=チームジャイコ・スキンズ)、アレクサンドル・シュシェモイン(23=カザフスタンナショナルチーム)、宮澤崇史(32=チームNIPPO)が集団から飛び出し、後半まで4人で逃げ続けた。
しかし、残り2周でアトケンが集団から切り離されたため、3人でゴールを目指した。
残り1kmから続く上り坂で、サレルノと宮澤がシュシェモインを振り切り2人でゴールに向かった。その後、サレルノが宮澤を振り切りそのまま1位でゴール。宮澤はゴール直前に集団のゴールスプリントに吸収された。
集団で体力を温存していたマシューは圧倒的なスピードで飛び出して2位でゴール。次いで鈴木が3位に入った。
宮澤は13位だったが、ゴール手前まで続いたサレルノとの勝負で会場を湧かせた。
「自分が勝てる展開に持っていけなかったのが敗因。今後もチームとして勝ちを狙って走りたい」と宮澤は悔しさをにじませた。
奈良ステージが国際レースで初勝利となるサレルノ。
「序盤から集団を飛び出したのに不安もあったが、他の選手と協力し合えたのでゴールまでうまく逃げ切れた。プロとしての初勝利をあげられてとてもうれしい」
堺ステージでグリーンジャージを守りたいと思っていたマシューは今回、終始落ち着いた様子だった。
マシューは「最初に逃げた4人の中にチームメイトがいたので、あわてずに力を温存できた。明日のコースは平坦が多く、自分に有利なのでグリーンジャージをできる限り守りたい」と話している。
18日の美濃ステージは1周21.3kmで平坦も登りもある中間的なコースレイアウトと言われる美濃和紙の里会館前周回コースで行なわれる。