これまでの当たり前とこれからの当たり前
コロナ禍に突入してから約2年が経過しました。
平常時開催だった2019年大会を最後に、2020年は開催見送り、2021年は3日間の縮小開催、そして今年も4日間の縮小開催を予定しています。
コロナ禍での日常生活にはすっかり慣れてしまいましたが、一方で、ツアー・オブ・ジャパンの開催準備を進めていると、いまが正常ではないことを改めて実感いたします。
堺ステージ、京都ステージ、いなべステージ、美濃ステージの4ステージについては、コロナ禍の影響で3年連続開催見送りとなってしまいました…。
この歳(50歳)になると、3年間というのはそれほど大きな年月に感じなかったりもしますが、自分が選手時代のことを振り返ってみると、3年というのはタイミングによってはその後の選手人生すべてが決まってしまう様な大きな意味を持つ時間だったりもします。
私自身、1996年にはじまった第1回のツアー・オブ・ジャパンから今に至るまで、全23大会中、22大会を、選手、監督、主催者とそれぞれの立場で参加してきました。
もし、自分が選手として伸び盛りだった22歳から24歳くらいの3年間をコロナ禍により棒に振ってしまったならば、TOJ大会ディレクターとしての今の自分は存在していないかもしれません。
昨年のこの時期、ツアー・オブ・ジャパンは2年連続で開催を見送るかどうかの瀬戸際に立たされていました。そしてギリギリのタイミングで開催が決まりました。
コロナ禍以降ここまでの2年間に国内で開催されたUCIレースは「ツアー・オブ・ジャパン2021」と「おおいたアーバンクラシック2021」の2レースのみです。
仮にこの2レースが開催されていなかったならば、「ツール・ド・おきなわ2019(11月20日)」以降、今年のTOJまで実に30ヶ月(約910日)国内UCIレースは姿を消してしまっていたことになります。
当たり前だったことが当たり前にできなくなり、逆に当たり前ではなかったことが当たり前になりつつあります。
過去に囚われて生きるつもりはありませんが、いま目の前にある当たり前に感謝し、新たな時代の変化を受け入れつつ、次世代のために前進を続けていきたいと思います。