国内レースの近況
世界最大のステージレース「ツール・ド・フランス」は、第9ステージを終えて、最初の休息日を迎えています。
すでにお伝えしておりますように、休息日に選手・スタッフに対する一斉のPCR検査が実施され、その結果、同チーム内から二人以上の陽性者がでてしまった場合は、チームごとレースから去らなくてはいけなくなります(厳密にいうとPCR検査で陽性反応がでた際は念のためもう一度検査を受けて2度陽性が確認された際はアウトとなります)。
本来であれば「ゆっくり休める休息日(実際は移動日)」なはずが、「気持ち的にまったく休めない休息日」となっております。
さて、そんな海外では綱渡り状態での「ツール・ド・フランス」が開催されていますが、国内レース界でもいくつかの動きがありました。
まずは、2020年中の国内UCIレースとして、唯一開催の可能性を探っていた「ツール・ド・おきなわ」が、先週、正式に開催中止の発表を行いました。
これで、2020年中の国内UCIレースは全日本選手権を含めてすべて開催中止ということになってしまいました…
一方、コロナ禍に於ける自転車ロードレース開催を7月から再開しているJBCF(一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟)が、9月6日に2021年シーズンに向けた「Jプロツアー加盟規定」、「Jプロツアー運営規程」、「Jプロツアー ライダーステイタス」及び「アジェンダ2022」を発表しました。
すべてのスポーツイベントに対して逆風が吹いている現在のコロナ禍ですが、JBCFは昨年春に発表した「2021年新リーグ構想」を一旦凍結し、まずは自転車レース運営団体として生き残りをかけた取り組みに集中するという内容となっております。
私自身、連盟戦略室長(現在は解散)として昨年春に発表の場に立っていたわけですが、今回の新リーグ構想の凍結を判断するに至り、期待してくださった多くの方々に対して大変申し訳ない気持ちでいっぱいです。
新リーグ構想に関わったメンバーの多くはJBCFを離れてしまいましたが、まずは拡大戦略とコロナ禍によって痛んでしまった連盟の足元を固め直し、50年以上の歴史を誇る日本の自転車レース運営団体をしっかりと立て直していかなくてはなりません。
私は16歳の時に実業団登録選手となり、その後、シマノレーシング入りして「職業選手」になったあとも、多くの実業団レースを走ってきました。
選手引退後は監督として実業団レースを自分なりに12年間盛り上げ、現在は「ツアー・オブ・ジャパン」を中心に自転車レースの開催に大きく関与するようになっています。
最近よく思うことは、選手時代、監督時代に、なにも知らずに連盟に対して好き勝手(文句)言いまくって本当に申し訳なかったな、ということです。
なにごとも自らが経験してみないと、そこにある本当の苦労や事情などを知り得ることができません。
本当に反省の日々です。
まずは自分自身の未熟さを認め、しっかりと地に足をつけた形で、改めて夢を追いかけていきたいと思います。