ツール・ド・フランス開幕
「第107回 ツール・ド・フランス」が8月29日に開幕しました。
当ブログは国内最大のステージレース「ツアー・オブ・ジャパン」のオフィシャルブログですので、TOJのステージ関係者や、他のレース関係者の皆さんもご覧になられているかと思います。
そこで改めて、“主催者目線”での「ツール・ド・フランス開幕」という部分を以下にまとめてみました。
◯ツーストライクルール
ツール・ド・フランスを開催する上で遵守するべきルールというのは大枠でみると以下の三点となります。
↓フランス政府の新型コロナ対策ガイドライン
↓UCI(世界自転車競技連合)の新型コロナ対策ガイドライン
↓ASO(ツール・ド・フランス主催者)の新型コロナ対策ガイドライン
上記のうち、レース主催者であるASOが独自に設定した「ツーストライクルール」が注目を浴びています。
これは7日間のあいだに選手・スタッフを含むチーム関係者から2名のPCR検査陽性者がでた場合、チームごと大会から除外されるというものです。
◯PCR検査体制
今回の「ツール・ド・フランス」に於いて重要な役割を担っているのがPCR検査となります。現地からの情報によりますと、レース関係者については帯同する移動式ラボに於いて最短1時間ほどでPCR検査の結果を知ることができるとのこと。
また、偽陽性を防ぐために、PCR検査で陽性となってもすぐには排除対象にはならず、すぐに2回目の検査を受け、その結果をみてから正式な処置が決定するとのことです。
以前のブログでもご紹介いたしましたが、日本国内では任意のPCR検査ですと4万円前後の費用がかかり、結果がわかるまでに1〜2日ほどの時間を要しています。
◯レースバブル
選手を含むチーム関係者(1チーム30名ほどに限定)とレース主催関係者を「レースバブル」と呼び、これらの面々を完全に周囲から隔離しつつレースを開催していきます。
仮にこの「レースバブル」の中からPCR検査陽性者がでた場合は、前述の通りレースから除外することによってリスクを切り離すことになります。
尚、レース期間中、選手たちは家族と接触することも許されていません。
◯観客の状況
観客の規制については、これまで開催されてきた他のUCIレースとはやはり異なり、メディアを含む一般のひとたちが「レースバブル」へ近くづかないようにかなり徹底した管理体制が敷かれています。
一方、管理区域以外の人出はそれなりに増加している模様…。それでも通常の7月開催(バカンスシーズン)に比べると、9月開催ではみな日中に仕事をしているのでお客さんの数は減少傾向となっています。
◯フランス政府
フランス国内での新型コロナウイルス感染者が増加していることもあり、フランス政府もかなり注意深く「ツール・ド・フランス」の同行をチェックしている様です。
開幕直後には、一時期「ツール・ド・フランス」開催に否定的なコメントを出していたフランススポーツ省の大臣や、他の政府関係者などもニース入りして大会の様子を視察。
そして、今後の大会の継続については、主催者ではなくて国が判断することが発表されています。