自転車レースの可能性
4月1日に、UCI(世界自転車競技連合)がこれまで4月いっぱいとしていたUCIレースの開催中止措置を6月1日まで延長すると発表しました。
また、その翌々日の4月3日には、5月29〜31日に開催予定だった「ツール・ド・熊野」の開催中止が発表されています。
これで、2020年に開催が予定されている国内のUCI公認ロードレース8大会のうち、3大会の開催中止が決まったことになります。
◯国内UCI公認ロードレース
3/20-22 ツール・ド・とちぎ=開催中止
5/17-24 ツアー・オブ・ジャパン=開催中止
5/29-31 ツール・ド・熊野=開催中止
6/18-21 全日本選手権=未定
10/4 おおいたアーバンクラシック=未定
10/9-11 ツール・ド・北海道=未定
10/18 ジャパンカップ=未定
11/8 ツール・ド・おきなわ=未定
一方、海外のレースも軒並み中止や延期が発表されるなかで、当初4月5日(日)に開催が予定されていた世界ナンバーワンクラシックレースの「ロンド・ファン・フラーンデレン」が予定通り4月5日に「ロックダウンエディション」として開催され、オリンピックチャンピオンのグレッグ・ファンアーヴェルマート(ベルギー)が悲願の「ロンド」初制覇を達成しました!
実はこのレース、室内トレーナーを使用したバーチャルレース形式で開催され、トッププロ選手13名が45分間にわたって熱い熱い戦いを世界に配信しました。もちろんリザルトは非公式なものになりますが、3位でフィニッシュしたニコラス・ロッシュ (アイルランド)は 、「ここ最近で最もキツい45分間だったよ」コメントを残しています。
私もライブ配信を視聴しましたが、レースのバーチャル映像と、各選手の自宅など(マイケル・マシューズはベットルーム?)に設定されたリアル映像を同時に観れるので、いつもとは違った雰囲気でとても楽しむことができました。
現状、数あるスポーツのなかで、こういったバーチャルとリアルとを高次元で連動(トッププロ選手が実際のフィジカルの強さを生かして)できるのは自転車ロードレースくらいだと思います。ボールゲームなどは、いわゆるテレビゲームではなく、プロ選手のフィジカルをゲーム内でリアルに再現することは難しい状況です。
また、先日開催中止を発表した「ツール・ド・スイス」は、4月中に室内トレーナーを用いたバーチャルレースの「デジタル・スイス5」の開催を予定している模様で、すでに「ツール・ド・スイス」に招待されていた17チームが参加を表明し、スイスのテレビ局が放送することが決まっているとのこと。この企画が成功した場合、6月に「デジタル・ツール・ド・スイス」の開催の可能性があると主催者は期待を寄せています。
まだまだ少し先の話しだと思っていたバーチャルレースの世界が、今回の新型コロナウイルス騒動で一気に現実のものになってきました。