東京五輪テストイベント
東京五輪自転車ロードレースのテストイベントとなる「READY STEADY TOKYO(UCI-1.2)」が7月21日(日)に開催されました。
コースは、東京都府中市にある「武蔵野の森公園」をスタートし、リアルスタート後は、稲城市→多摩市→八王子市→町田市→神奈川県相模原市→山梨県道志村→山中湖村→静岡県小山町→御殿場市→小山町→神奈川県山北町→山梨県山中湖村→静岡県小山町→御殿場市→小山町と巡って富士スピードウェイ内にフィニッシュする179km。
五輪本番のコース(234km)と違っている部分は、富士スピードウェイの南西にあたる、静岡県御殿場市→裾野市(最高標高地点約1,450m/イエティスキー場付近)→御殿場市をぐるっと周るコースがカットされている点です。
近年、日本国内では自転車ロードレースのイベントが大きな盛り上がりをみせており、市街地でのクリテリウムなど、多くの観客を集めるレースが徐々に増えてきています。
一方で、本場ヨーロッパの様な人口密集地域をラインレースとして通過する形態のレースを開催することは非常に難しく、道路規制や各種警備、それらを実施するために必要な経費などを考えると、ロードレースについては郊外での周回コースを採用するのが現実的な落としどころとなっています…。
しかし今回は、「オリンピック」というとてつもなく大きな後ろ盾というか大義が存在していることあり、自転車界にいる我々の努力では開催できなかった「夢のレース」が目の前で実現したのです。
レース当日は、競技マネージャー車両に乗り、先頭集団の15分前を走りながらコースの安全を確認していくという地味で目立たないですが、それなりに重要な作業を担当しました。
「ツアー・オブ・ジャパン」でもレースディレクターを兼務しているのでレース前方車両に乗る経験はあったものの、勝手知ったる周回コースを走るのと、交通規制された状態では初めて走るラインレースのコース(しかもかなりの人口密集地域)を走るのとではその緊張度は雲泥の差であったのは言うまでもありません。
また、スピードの緩急が激しい自転車ロードレース(ラインレース)の「15分前」をきっちり走り続けるというのは、それ自体がかなり困難な作業であることも実感しました。
「15分前車両」は警備関係者や立哨員にとっての最終スタンバイの合図にもなるので、走行位置が大きく前後することはトラブルのもとにもつながりかねません。
そんな重要な競技マネージャーカーの中から見た光景というのは、ひとことで言うと「感動」そのものでした。
都内から相模原市の郊外へ抜けるまで人垣が切れ目なく続いていて、コースが自分が住んでいる地域に近いということもあって、日常と非日常が入り混じり、とても不思議な感じになったと共に、こんな素晴らしいレースを走れる選手たちが本気で羨ましくなってしまいました…。
今後、「ツアー・オブ・ジャパン」を開催していく上での重要なヒントと可能性もいくつか得られたりもしましたので、まずは、来年の五輪本番が成功に終わる様に、「ツアー・オブ・ジャパン」としても引き続き五輪ロードレースをサポートしていきたいと思います。