海外と国内のレース開催環境の違い

これまでも当ブログのなかで何度か話題に挙げている「日本国内に於ける自転車ロードレースの開催難易度」。
この20年ほどで、日本国内には本当に多くの公道型レースやイベントが増え、長めの時間軸でみれば、ロードバイクを取り巻く環境は大きく進歩していますが、それでもレースを開催するための難易度はまだまだ非常に高いのが現状です。
今回は、海外の状況と比較しつつ、レースを開催すために必要な項目などをいくつか挙げてみたいと思います。
◯自転車ロードレース開催に対する理解
・本場欧州では自転車ロードレースというスポーツが一般的
・アマチュアレースを含めて公道が一時的に規制される状況に市民も慣れている
・自転車ロードレース開催に伴う道路使用許可申請などがフォーマット化されている
・日本国内では道路使用許可申請の難易度が非常に高い
・生活道路を使用するため事前に十分な住民説明会などが必要(住民の方々が慣れていないため)
・落車が起きるとマスメディアがヘリを飛ばし全国放送で事故として報道することも…
◯自転車ロードレース開催を支えるスタッフ
・本場欧州には自転車ロードレースを開催するためのノウハウを持った人材が豊富
・小さな周回コースであれば熟練のコースマーシャルおじさんたちが交通整理を担当
・ラインレースや大きめの周回コースではオートバイに乗ってレースをコントロールするモトコミセールやエスコートモト(集団の前方を走りながら交通整理や危険箇所を選手たちへ伝える)などを担当できる人材が豊富
・大きなレースになると自転車ロードレースのサポートを知り尽くした警察や国家憲兵隊などが協力(行政などから指示を受ける形で執務)
・日本国内には自転車ロードレースを開催するためのノウハウを持った人材が少ない
・オードバイでの業務をこなせる人材も少なく更に高齢化が進んでいる
◯自転車ロードレース開催を応援するスポンサー
・本場のアマチュアレースは「町のお祭りの協賛」の様な感覚で小口協賛が集まりやすい
・大きなレースであればメディアへの露出が見込めるので大企業のスポンサーがつきやすい
・日本国内では自転車関連企業の協賛が中心となるので大会数が増えてくると奪い合いになることも…
この様に、日本国内では自転車ロードレースの認知度がまだまだ低い状況であることは否めませんし、なによりも、自転車ロードレースを開催するために必要な人材の育成が急務であることは皆が感じていることでもあります。
選手育成だけでなく、開催サイドの人材育成にも力を入れていかなければなりません。


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