南信州&堺ステージ ロケハン
先週末から今週にかけて、「ツアー・オブ・ジャパン 南信州ステージ」の舞台となる長野県飯田市と「ツアー・オブ・ジャパン 堺ステージ」の舞台となる大阪府堺市へロケハンに行って参りました。
「南信州ステージ」は今年で15回目の開催を迎え、そして「堺ステージ」は第1回大会から開催されているので実に23回目の開催となります。
両ステージとも「ツアー・オブ・ジャパン」全体の中でみて最も歴史あるステージであり、TOJの伝統を継続して支えてきてくださったことに対して心から感謝の気持ちが湧き上がってきます。
一方、大会の開催回数が増えてくると、様々な変化とも向き合わなくてはいけなくなるので、「継続することの難しさ」というものを一番理解しているのがこの2つのステージだったりもします。
まずはそんな伝統の2ステージの特徴や開催に至った経緯などについて簡単にご紹介したいと思います。
◯南信州ステージ
初回開催:2005年(第9回大会)
開催回数:14回
ステージ概要:
ツアー・オブ・ジャパン史上はじめてとなる「地域密着型ステージ」であり、長野県飯田市の熊谷氏から当時の大会事務局に対してステージ誘致の連絡をいただく。その後、南信州ステージがきっかけとなり、美濃ステージ、いなべステージが誕生し、現在は「中部三県ステージ」として、ツアー・オブ・ジャパンの「地域貢献型レース」という哲学を支えている。
◯堺ステージ
初回開催:1998年(第1回大会)
開催回数:22回
ステージ概要:
1982年にはじまった「国際サイクルロードレース」が本当の初回大会であり、近代の日本のサイクルロードレース文化の原点と言っても良い存在。堺市は、日本が世界に誇る自転車部品メーカー「シマノ社」のお膝元であり、40年近く日本のスポーツサイクル文化を見守ってきた伝統のレース。
この様に、両ステージとも「ツアー・オブ・ジャパン」を語る上で無くてはならない存在なわけですが、一方で、その伝統を守っていくことは決して簡単なことではありません。
これらはなに対しても言えることですが、まず予算というものは時間の経過とともに自動的に増えていくということはなく、なにもしなければむしろどんどん減っていってしまう傾向にあります。
一方、ルーティーン化している実務(作業)というのは、年々新たな取り組みを少しずつ追加していくことで、リソース自体が変わらなくても、作業量はどんどん積み上がっていってしまう傾向があったりもします。
更に一定の周期で担当者が代わってしまうのも常なので、そこで発生する引継ぎというものが、状況によっては新規大会を開催するのと同等の負荷レベルになってしまうことすらあります。
そして、大会を継続していくなかでは、レースの存在意義そのものを問われる場面も必ずでてきたりもします…
「現状維持は衰退に繋がる」というのは一つの真実ではありますが、一方で、上記の様に長い歴史を継続していくこと自体にも大きな情熱とパワーが必要になってきます。
歴史あるステージが存在していることを当たり前と思わずに、様々な時代を繋いできてくださった先人の皆さんに心から感謝しつつ、今後も伝統というタスキをしっかりと未来へ繋いでいきたいと思います。