堺ステージでデンプスター初優勝。西谷2位
堺ステージを制した豪州のデンプスター
第12回ツアー・オブ・ジャパン、堺ステージは18日、大阪府堺市内で行われ、ザッカリ・デンプスター(20=サウスオーストラリアドットコム・AIS)が優勝した。デンプスターは昨年の大阪ステージ(現堺ステージ)3位で、これが初めての国際大会優勝となる。個人総合成績でも首位になり、グリーンジャージを手にした。デンプスターに次いで2位には西谷泰治(27=愛三工業)が入った。
周回コースで行われた堺ステージは1周の走行距離12.8kmの平坦コースで、逃げが決まりにくい。そのため毎年、勝負はゴールスプリントにゆだねられるのが特徴だ。レース前半、集団は何人も前に出ようとする選手がいたが、すぐに集団に取り押さえられてしまう状況が続いた。
レース後半、真鍋和幸(31=NIPPO・エンデカ)、長沼隆行(22=ブリヂストン・アンカー)、福島康司(34)と岡崎和也(36=ともに梅丹本舗・GDR)の4人が集団に2分以上の差をつけて逃げを決めた。
しかし、残り2周回で真鍋、長沼、福島は後ろから追いかけてきた集団に捕らえられ、岡崎だけが単独で先頭を走った。ラスト1周回の時点で岡崎と集団との差は約10秒になり、ゴールまでに集団は岡崎を捕らえた。
デンプスターは終始、レースの状況を把握。前に出て逃げる選手がいても、冷静にゴールスプリントまで体力を温存した。
その時の状況をデンプスターは「レースの途中、4人の選手が前に出て見えなくなってしまったため、少し焦りを感じた。しかし、チームメイトのアドバイスで冷静になれた」と話した。
そして、勝負はゴールスプリントに。最終コーナー手前、集団は横に広がり、落車が発生した。そして、ゴール手前で飛び出したデンプスターは並走する西谷をかわし優勝。西谷は2位に入った。
デンプスターは「2カ月間、膝にケガをしていたため、不安になったときもあった。しかし、慎重に回復を待って、今は調子がいい。僕にとって日本は大好きな国。初めての国際レース優勝を日本で達成できてとてもうれしい」とコメント。
この大会で五輪代表の有力候補として注目されている西谷は「このステージは優勝を狙っていたので、悔しい。この大会は(五輪選考の選抜基準となる)国際ポイントがかかっているので、気が抜けない。最後の選考大会となる全日本選手権が直後に控えているので、要所で積極的に動いていきたい」と話した。