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栗村修のワールドツアーへの道

KURIMURA's Blog

趣味としてのエンデュランススポーツ

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パリ五輪が終了しました。自転車競技では、日本勢がメダルを獲得することはできませんでしたが、それでもトラック中距離の窪木選手と今村選手のペア(TOJ2024にも出場)が出場した男子マディソンでは、世界トップクラスのロード選手が多数参加する中で、一時はメダル圏内の3位をキープするなど、日本トラック男子中距離勢としては初となるメダル獲得の夢を見せてくれました。最終的には惜しくも6位という結果に終わりましたが、世界最高峰の舞台で日本の中距離勢が入賞を果たし、その光る走りは、今後の日本のロードレース界に大きな希望をもたらしたと言えるでしょう。

さて、そんな4年に一度のスポーツの祭典が終了したわけですが、五輪の影響で自身もスポーツを始める、もしくは再開するというひとも結構いらっしゃるのではないかと感じています。

私自身も最近、再びロードバイクに乗る様になった「元選手」の一人ですので、今回はエンデュランススポーツ、すなわちマラソン、スポーツバイク、トライアスロンなどの長時間かつ持続的な運動の現状を簡潔に考察してみたいと思います。

エンデュランススポーツは、コロナ禍後をピークとした10年ほどの期間に亘り、かなり大きなブームとなっていました。特にコロナ禍では、外出制限やリモートワークの影響で運動を始める人が増え、これらのスポーツが一層注目されていました。しかし、近年そのブームがピークアウトしているという話もチラホラ聞くようにもなっています。

「エンデュランススポーツの人気が少し落ち着いている原因を考察」

1.機材や参加費の高騰
エンデュランススポーツは道具を使う競技が多いです。特にスポーツバイクの価格高騰は顕著で、また、ランニングのシューズの値段も全体的に上がっているとのこと。そして、モチベーション維持のために重要な各種大会参加のための費用も年々増加しています。大会への参加費が上昇し、宿泊費や移動費の負担も大きくなって、気軽に参加することが難しくなっていることが、ブームにブレーキをかけてしまっている原因のひとつともいわれています。

2.経済的な問題
近年の経済状況の不安定さも、エンデュランススポーツの人気が減少する一因です。生活費や日常の支出が増える中で、趣味に費やすお金を節約する人が増えています。特に、経済的な負担が大きいスポーツからは自然と距離を置く傾向が見られます。

3.燃え尽き症候群とオーバートレーニング
エンデュランススポーツは、その名の通り持久力を試すものであり、トレーニングの過程で疲労が蓄積しやすいです。目標を設定し、自身のフィジカルが右肩上がりで向上しているうちは良いのですが、徐々に頭打ちとなり、一部の人々は「燃え尽き症候群」に陥り、モチベーションを失ってしまいます。また、過剰なトレーニングが原因で怪我や健康を損ねてしまうケースも稀にあります。これらの身体的な問題が、継続を困難にしている要因のひとつとして挙げられます。

4.飽きてしまったという心理的要因
長期間にわたって同じ活動を続けることに飽きてしまうのは人間の自然な心理です。特に、目標を達成した後や大会が続いた後に、次の目標を見出せずにモチベーションを失うことが多いです。また、友人や知人が同じスポーツから離れてしまったことが、継続を妨げる要因になることもあります。

5.その他の新しい趣味やトレンドの台頭
人々の興味や関心は時代とともに移り変わります。最近では、コロナ禍に制限されていたアクティビティに再帰する動きが顕著で、その結果、コロナ禍にブームになったアクティビティが若干減速気味であることは否めません。世の中では新しいトレンドが次々と登場しており、これまでエンデュランススポーツに情熱を注いでいた人々が他の活動に目を向けはじめたこともひとつの要因といえるでしょう。

「エンデュランススポーツを継続するために必要な要素を考察」

1.モチベーションの維持
エンデュランススポーツを続けるためには、モチベーションを保つことが最も重要です。目標を設定し、それに向けて計画的にトレーニングを行うことが効果的です。また、目標が達成された後も、新たな挑戦を見つけることが大切です。ここで重要なのは、目標を達成するための時間軸を、余裕を持って長めに設定することだと思います。たとえば、無理をすれば1年以内に達成できそうな目標でも、あえて3年かけて取り組んでみるなど、時間に余裕を持たせることが大切です。ほとんどの人がどれだけ練習をしても、世界一や日本一にはなれないわけですから、それなら最初から達成しやすく、楽しく継続しやすい自分だけの目標を立てることが重要になるでしょう。

2.休息と回復の重視
オーバートレーニングや燃え尽き症候群を防ぐためには、十分な休息と回復が不可欠です。トレーニング計画には、適切な休息日や軽い運動の日を組み込み、体と心をリフレッシュさせる時間を確保することが重要です。エンデュランススポーツにはある種の中毒性があるため、意識的にブレーキをかけないと、ついやり過ぎてしまうことになりかねません。

3.バリエーションの追加
同じトレーニングばかりでは飽きてしまうこともあります。異なる種類の運動を取り入れたり、新しいトレーニング法を試したりすることで、変化を楽しむことができます。例えば、ロードバイクに加えてマウンテンバイクを試す、ランニングコースを変えるなどの工夫が有効です。

4.経済的な負担を軽減する工夫
高額な機材や参加費が負担になる場合は、ご自身の経済力と出費とのバランスを見直すことが重要になってきます。機材スポーツを続けていると、知らぬ間に金銭感覚が麻痺してしまったり、お金や体力が続かない頻度で大会に出場してしまったりと、その結果燃え尽きてしまう例は意外と少なくありません。人は人、自分は自分と思えるかが重要です。

5.コミュニティの活用
仲間と一緒にトレーニングを行うことで、モチベーションを高め合うことができます。グループでの活動やSNSでの情報共有を通じて、共通の目標を持つ仲間と繋がることが、継続の助けになることもあります。ただし、人付き合いが得意でない場合は、コミュニティに参加した結果、人間関係のトラブルに巻き込まれて趣味をやめてしまうこともあるので、注意が必要です。

6.新たな視点で楽しむ
エンデュランススポーツを楽しむ方法は大会を目標するだけではありません。自然の中をゆったりと走ったり、友人や家族と一緒にサイクリングを楽しんだりすることで、純粋にスポーツを楽しむことができます。また、健康維持やリフレッシュの手段としての視点を持つことも、長く続けるために有効です。結局、一番重要なのはこの部分かもしれません。

エンデュランススポーツは、その過程で得られる達成感や健康効果が非常に大きいものです。ブームが落ち着いたとしても、その価値は普遍的で変わりありません。これからも楽しく続けていくためには、自分に合った方法を見つけ、無理なく笑顔で取り組んでいくことが大切ですね。

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