年末のご挨拶
ツアー・オブ・ジャパン組織委員会委員長に着任した2023年も残りあとわずかとなりました。TOJ主催者に転身してからはちょうど10年になります。
前身大会を含めると40年以上の歴史を誇るTOJの運営に携わっていると、大会を継続することの難しさを年々感じるようになってきます。
時代が変化し、我々を取り巻く環境が日々進化していくなかで、大会の魅力や存在感を維持し続けることは容易なことではありません。しかし、これまで大会を支えてくださった多くの先輩方のためにも、歩みを止めることは許されず、次世代に向かってTOJの新たなバトンを引き継いでいかなくてはなりません。
ここ数年は大会の存続を脅かすような大きな試練が降りかかりました。新型コロナウイルスの流行により多くのレースが中止や延期を余儀なくされましたが、TOJは困難を乗り越え、開催中止を2020年のみにとどめ、コロナ禍で新ステージ(相模原ステージ)を立ち上げるなど多くの努力を重ねてきました。
そして、コロナ禍が収束し、社会が正常化するなかで、TOJも悲願の8ステージ開催を復活させ、全ステージの皆様との再会を果たしました。
TOJは地域貢献を大会の柱としております。大会を通じて各地域の魅力を発信し、地元の方々と協力してイベントを成功に導いて参りました。また、多くのサイクリストが各地域を訪れることで、地域に新しい風が吹き込み、様々な交流が生まれています。今後も地域社会との連携を一層強化し、地域貢献の一翼を担って参ります。
また、人材育成も大会の重要なテーマの一つとなります。これまでTOJは、若手の登竜門として、世界的スター選手たちの飛躍のきっかけとなってきました。若い才能がTOJで経験を積み、成長していく様子は、私たちにとって喜びであり、誇りでもあります。若者たちが夢を追い求め、将来世界を代表する存在になることを願い、今後も人材育成に一層の力を入れ、サイクリング界に新たな風を巻き起こすお手伝いをしていきます。
自転車は健康促進や環境保全にも貢献する素晴らしい乗り物であり、TOJはその一翼を担っている自負があります。社会の発展に寄与する大会として、今後も様々なプロジェクトやイベントを展開していく所存です。
2024年もTOJが成功裏に開催されることを心より願っております。今後も皆さまとともに歩み続け、より良い未来に向けて新たな一歩を踏み出していく覚悟でございます。
本年も誠にありがとうございました。どうぞ良いお年をお迎えください。