TOJ2024出場チームについて
先週、当ブログで「TOJ2024」の大会日程を発表いたしました。
例年、この時期になると、準備が早い海外チームから、翌年のTOJへの出場希望メールが届きはじめます。
来年は2クラスに変更するため、出場希望が少し減るかなと少々心配していましたが、過去多くのワールドツアーライダーを送り出している海外チームから、「U23選手中心の強力な布陣で参加を希望する」という、まるでTOJの日本語サイトを英訳して読んでくれているかのようなメールが届くなど、心配は無用でした。
今年、TOJに来日したベルギー人のベテランコミセールからも、TOJを徐々に若手世代のレースへとシフトしていくことに対して賛同を得られたので、引き続き世界の強力なU23ライダーが集まるレースを目指して調整を続けて参ります。
ということで、すでにTOJ 2024の開催準備がはじまっておりますが、来年の大会も参加チーム数は全16チームで開催予定となっております。
海外チームと国内チームの配分はこれから具体的な数字を決めていきますが、基本的に、アジアツアーランキング上位チーム(招待枠)以外のチーム選考については、われわれ主催者側が自由に出場チームを選べるルールとなっています。
しかし、国内各チームにとって主要レースに出場することは、スポンサー獲得のために非常に重要な要素であるため、チーム選考についてはできるだけ透明性を保つことを心がけてはいます(もちろん、大会スポンサーなどが関連する主催者枠も必要になります)。
これまでTOJの国内コンチネンタルチームの選考基準はUCIランキングをベースにある程度機械的に選出してきましたが、UCIランキングの集計方法が頻繁に変更されるため、その点は実態から乖離しないように我々で調整しながら運用してきました。
ちなみに世界的に見ると、UCIコンチネンタルチームの主流はU23の育成チーム(デヴェロップメントチーム)であり、その目的は文字通り若手の育成です。チームの運営方針やスポンサー獲得のための企画書などもそれに沿った形で作られています。
また、各チームが独自に誤った方向に進んでしまわないように、各国のナショナルフェデレーションがコンチネンタルチームの位置付けをルールで定義付けしていたりもします。
一方、国内のコンチネンタルチームには共通の強化方針が存在していないため、各チームはそれぞれの活動方針に加えて、各レースに選出されるために必要なUCIポイントを獲得するための効果的な手段を日々考えながら活動していたりもします。
以下、来年のTOJの国内チーム選考のために、2023年の国内コンチネンタルチームの状況を栗村が手計算で可視化してみました。
※上記はあくまで参考資料なのでこれによって出場チームが決定するわけではありません
予想通り、各チームのリソースが比較的高い年齢層に投資されており、また、外国人選手によってUCIポイントが獲得されている状況が見て取れます。
決して各チームの運営の良し悪しを言いたいわけではありません。私自身も長年チームの監督を務めてきたのでよく理解していますが、一つのチームが効率的なやり方?を導入すると、既存の制度の中で生き残るために他のチームも同じ方法で対抗せざるを得なくなり、時間の経過とともにアイデンティティ・クライシスに陥る悪循環がはじまってしまいます…。
今後、TOJのチーム選考基準については、数年かけて「日本人の若手選手を育てるチーム」を優先する選考基準を構築していきたいと考えています。
但し、選考基準を突然変えてしまうと、チーム運営に支障をきたすことも考えられるので、そこは「順応期間」を設けながら、うまく移行していく必要があります(このブログもフォワード・ガイダンスの一環です)。
少し長めの時間軸にはなりますが、本当の意味でワールドツアーに近づく取り組みとして、愚直にTOJ独自の価値を生み出す運営を継続していきたいと思います。
尚、TOJ2024の出場チームは来年3月中旬頃に正式に発表する形を予定しております。