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栗村修のワールドツアーへの道

KURIMURA's Blog

魂の旅

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ツアー・オブ・ジャパンのオフィシャルホームページで更新を続けている当ブログ「栗村修のワールドツアーへの道」も2022年最後の更新となります。

初回更新が2015年2月。それから8年弱週1回の更新を続けて参りましたので、今回で411回目の更新になる感じでしょうか。

ブログの題名となっている「栗村修のワールドツアーへの道」ですが、これは2015年に栗村が作成した「TOJ NEXT10(長期構想)」の中で「TOJを将来的にワールドツアーへ昇格させる」という絵を描いたことから命名したブログタイトルになります。

当ブログの最初の更新時には以下の様な思いを綴っておりました。

「この度、恐れ多くも 『栗村修のワールドツアーへの道』 というタイトルのブログを担当することになりました。もちろん、TOJをすぐにワールドツアーに昇格させることはまず不可能なことですし、現在の日本チームや選手のレベルを考えると、TOJを安易にワールドツアーへ引き上げることはむしろネガティブな要素の方が多くなってしまうかもしれません。しかし、長い目で物事を考える場合、究極の目標というものを最上部に掲げることで、そこへ向かう工程や、長中短期それぞれの時間軸に於いて、何をするべきなのかが見えてきます(2015年2月2日更新)」

ちなみに現在の「TOJ NEXT10」の進捗率はざっと50%といったところです。半分出来て、半分出来ていない、というのが正直なところです。

この間、未曾有のパンデミックが世界中を襲い、一方でスポーツ界に追い風を吹かせた東京五輪も終了し、いまはある意味で想定以上の木枯らしが吹き荒ぶ状況の中にいる感じです…

ですので、「眩しい日差しのもとガンガンに前進していく状況」というよりかは、「崩れ落ちないように嵐の中を耐え忍ぶ状況」というのが現状を表すときには適している表現かもしれません。

2015年に作成した「TOJ NEXT10」はその名の通り10年構想でしたので、そろそろ現状にアジャストした形で新たな中長期計画の策定が必要な時期が近づいて参りました。

但し、レースというのは、日本人選手や日本チームの競技力・育成方針に合わせて存在するものでもありますので、マクロな視点でみた場合「ツアー・オブ・ジャパンがワールドツアーへ昇格する」というのは「日本人選手や日本チームがワールドツアーレベルに到達する」こととリンクしている必要があるともいえます。

ですので、日本人選手のレベル感によっては、ツアー・オブ・ジャパンをクラス2へと逆にダウングレードし、若い選手たちの成長を促進する位置付けのレースへと一時的に立ち返るという選択肢も考えなくていかなくてはなりません(戦略的後退)。

しかし、世の中の多くの事柄が「現状維持バイアスの罠」に陥る構造の中で、前に進むことと同じくらいに「前に進むための戦略的後退」というのが意外と難しかったりもします…

一般的に世の中の多くの人たちは、短期的な時間軸のなかでものごとを評価して生きています。私自身も日常生活では「木を見て森を見ず」状態のことが殆どです。

短い時間軸の価値観でまわっている世の中で評価されるためには、当然目の前の行動をアピールしつつ活動していくことが重要になります。極端な話し、多くの人が自分の目に見えているものだけで人や事業などの優劣を判断しています。

逆にいえば、評価のための時間軸が長くなっていくと、その事柄の優劣を見抜ける人の数が徐々に減っていくことになります。

そういった意味で考えると、俯瞰的視点ばかりで物事を捉えていると、ツアー・オブ・ジャパンの表面的価値を徐々に下げてしまうことにもつながりかねません。

歴史ある巨大イベントの運営というのは、ある意味で「終わりなき旅」だと思っています。そして、私自身はツアー・オブ・ジャパンの運営を「魂の旅」ともよく表現しています。

レース主催者というのは、選手やチーム関係者とは違い、目に見えて応援される機会は殆どありません。それでも、関係者の熱量や努力量、そしてプレッシャーや責任の大きさなどは、チーム側だった時よりもずっとずっと大きいように感じています。特に都府県をまたぐ巨大スポーツイベントであるツアー・オブ・ジャパンはいろいろな場面で魂を揺さぶられます。

レース運営に関わる関係者のそのほとんどが一般に知られることはありません。しかし、私自身にとっては全員がヒーローであり、心を揺さぶる「魂の旅」の仲間たちです。

令和の時代に昭和な表現で大変恐縮ですが、1982年にはじまった現存する日本最古の国際レースを未来へ継承していくために、我々は「魂の旅」を続けて参ります。

皆様、お体に気を付けてよい年末年始をお過ごしくださいませ。

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