落車の原因
現在、フランスで開催されている世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」に於いて、連日、落車事故が発生しています。
世界のトッププロが出場する世界最高峰のレースにも関わらず、なぜ、落車が頻発してしまうのでしょうか。
今回は「落車の原因」について簡単に考察してみたいと思います。
まず、落車が起こる原因というのは大きく分けて以下の3つが考えられます。
① スリップやコースアウトなど自転車の操作ミス
② 選手同士の接触
③ 選手と車両・観客・設置物・障害物などとの接触
次にそれぞれの原因が起こる具体的なシチュエーションについてみていきましょう。
① スリップやコースアウトなど自転車の操作ミス
・オーバースピード(路面状況や選手の技量に対して)
・ブレーキ操作ミス
・よそ見
・段差などでハンドルから手が外れる
② 選手同士の接触
・前走者の後輪に接触する(ハスる)
・横の選手のハンドルや腕などに当たってバランスを崩す
・急ブレーキの際に突っ込まれる
③ 選手と車両・観客・設置物・障害物などとの接触
・レースの随行車両との接触
・沿道の観客との接触
・コース上やコース沿道の設置物や障害物との接触
この様に見ていくと、落車の原因自体はある程度絞り込めることがわかります。
問題は、ここから先のより具体的な原因追求の部分となります。
個人的にはこれまで様々な仮説を立ててきましたので、今回は敢えて深堀りはいたしませんが、「ツール・ド・フランス」などのトップクラスのレースで起こっていることを簡潔に表現すると、「選手たちが無理を強いられていること」が最大の原因になっていると感じています。
ちなみに、かなりテクニカルなコースを採用している「ツアー・オブ・ジャパン」でもここまで多くの落車が発生することはありません。
個人的な見解ですが、現在の「ツール・ド・フランス」を、仮に4車線で一直線のクローズドコース(障害物なし)で開催したとしても、それなりに落車は発生すると思います。
単調なコースほど落車が発生しやすいというのにプラスして、無理を強いられた選手たちの動き自体が落車の原因の一つになっているからです。
現在、UCI(国際自転車競技連合)が落車のメカニズムを研究しているはずですので、まずはその研究内容の発表を待ちたいと思います。