ツール・ド・フランス総合ディレクター現場へ復帰
「第107回 ツール・ド・フランス」はオーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏イゼール県で2回目の休息日を迎えています。
いよいよ今夜から3週目へと突入し、アルプス山脈とヴォージュ山脈を舞台とした最終決戦の地へと向かっていきます。
また、この休息日には恒例の定期PCR検査が実施されており、恐らくこのあと検査結果が公表されるものと思われます。
ちなみに前回実施されたPCR検査では4チームのスタッフからPCR検査陽性者がでてしまっていました。
尚、今回の「ツール・ド・フランス」では、レースの独自ルールとして、「連続する7日間のうちに1チームから二人以上のPCR検査陽性者がでてしまった場合はチームごとレースから去らなければならない」という「ツーストライク・チームアウトルール」が設定されています。
この「連続する7日間」という定義についてですが、1回目と2回目のPCR検査間で一旦リセットされることが確認されており、現状はすべてのカウントが一旦リセットされた形で2回目のPCR検査の結果待ち状態となっております。
一方、ルール上は定期PCR検査を受ける義務はなかったものの、自主的に8月から定期的にPCR検査を受け、その結果、前回のPCR検査で陽性反応がでてしまい、一時的に大会から離脱していた大会の総合ディレクターであるクリスチャン・プリュドム氏が休息日明けから現場復帰することが発表されています。
日本的な感覚からすると「早い現場復帰だなあ」と感じる方も少なくないかとは思いますが、フランスではすでに新型コロナウイルス陽性者の隔離期間を7日間に短縮することが発表されており、今回はそれに準じた形での現場復帰となった模様です。
ちなみにフランスの厚生大臣が発表した内容では、統計上、感染力が強いのは最初の5日間のみであり、その後は大きく感染力が下がることから、今回の隔離期間の短縮となったとのことです。
「ツール・ド・フランスはパリまで辿り着けるのか?」といった声がまだまだ多く聞こえてきますが、一方で、ここまで新型コロナウイルス関連による選手のリタイアをゼロに抑え込んでおり、また、大会のトップが期間中にPCR検査で陽性となるも、再び期間中に現場復帰を果たすという「実例」も示しており、コロナ禍に於ける巨大スポーツイベント開催の可能性を全人類に対して身をもって体現しているともいえます。
いろいろな意味で「ツール・ド・フランス」の最終週に注目していきたいと思います。