5月5日は自転車の日
前号では「自転車月間」に触れた上で、ゴールデンウィーク中に自転車に乗る際の注意点などをお伝えいたしました。
その後、5月4日に、政府は新型コロナウイルス特措法に基づく全都道府県への緊急事態宣言を5月31日まで延長することを正式に決定しました。
一方、新型コロナウイルスの第二の震源地となったヨーロッパでは、まずイタリアが5月4日から段階的なロックダウン解除を開始し、スペインも緩和の方向へと舵を切りはじめます。
また、フランスも1週間遅れの5月11日から段階的なロックダウンの解除をはじめる予定となっています。
そんな中、各国では自転車の可能性を見直す動きが広まっています。いくつかの代表例を以下に挙げてみます。
◯フランス政府は5月11日のロックダウン解除に向けて、自転車修理代補助などとして日本円で約23億円の新たな自転車利用促進策を発表
→通勤時の公共交通機関などでの密集を回避するために、クルマではなく自転車を市街地での移動手段に選ぶよう推奨
→使っていなかった自転車の整備費用を50ユーロまで補助するほか、無料の安全講習会なども実施
→車道の一部を期間限定で自転車専用道路に切り替える施策も進める
◯ドイツ、ベルギー、イギリスなどでも、それぞれの国の事情に合わせる形で自転車利用を推奨する施策が進められている
一方で、自転車の需要自体は、実際どのようになっているのでしょうか。
国内では「新型コロナの影響で売り上げが厳しい」という声を聞く一方で、大手自転車専門店の「サイクルベースあさひ」の2月下旬から3月下旬の既存店売上高が20%弱の増加だったという報道を見かけました。また、世界的にも自転車販売店の売り上げはどちらかといえば増える傾向にあるようです。
現状、日本国内は緊急事態宣言中なので、自転車に乗る行為自体をどの様に捉えるかが人それぞれで異なっている状況となっています。
「健康維持のためにガイドラインに沿う形でロードバイクに乗るのは問題ない」という人もいれば、ママチャリが走っているだけで睨み付ける人もいるかもしれません。
今年の5月5日はいつもとは違う「自転車の日」となってしまいましたが、アフターコロナに向けて、自転車の安全利用の促進など、自分たちとしてできることを考えていきたいと思います。