サイクルツーリズム
先週、一般財団法人自治体国際化協会主催の「サイクルツーリズムセミナー」にパネルディスカッションのモデレーターとして参加いたしました。
北海道(ニセコ町)、滋賀県(琵琶湖)、そして愛媛県(しまなみ海道)と、サイクルツーリズムでの成功事例を持つ地域の実務経験者の皆さんの貴重なお話しを伺うことができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
そこで伺った「サイクルツーリズムを成功させるためのキーワード」の中から、栗村が共感したものをいくつかピックアップしてみたいと思います。
①サイクルツーリズムで地域を盛り上げようとするのではなくて、地域を盛り上げるためのビジネスに自転車を活用するという発想が大切。
②サイクルツーリズムを定着させるために必要な存在となる地元自治体内にはほぼ例外なく「異動」というものが存在しているので、計画段階で「引き継ぎ」や「事業継承」という概念を含んでおく。
③地域を愛しているプロデューサー的な存在がキーになる。
私が4年間監督を務めた地域密着型チームの宇都宮ブリッツェンの体制を思い出してみると、たしかに3項目とも思い当たるフシがあります。
①宇都宮ブリッツェンの周囲には地元で事業を行なっている会社や個人の存在が多くあります。宇都宮愛や自転車愛だけではなくて、自身が携わっている事業とチームという「箱」をどの様に組み合わせたら経済をまわしていけるのかを自然に考える環境が自然とできあがっていました。
②地元自治体の制度を利用する形で自治体職員の方がチームの運営会社へ出向し、労働力を提供すると共にチーム運営のノウハウが地元自治体へフィードバックされていく形が構築されていました。
③地元出身の元選手である廣瀬氏のプロデュース能力によりチームは数多くの新しいコンテンツを生み出し収益をあげていました。
国際自転車ロードレースの「ツアー・オブ・ジャパン」もある意味で「サイクルツーリズム事業」と呼べる存在であり、上記の3項目を意識して運営を続けていくことが重要だと感じています。
今後も「自転車」と「地域」に関連した様々な事業に取り組んでいる皆さんのお話しを伺いながら、新たな事業の構築に取り組んでいきたいと思います。