良い言葉と表情

「ツアー・オブ・ジャパン」関連のことではないのですが、いろいろな組織やプロジェクトに関わっていると、うまく円滑に進んでいる組織と、逆に問題や争いごとが絶え間なく起きている組織の両方に接することがあります。
もちろん円滑に進んでいる組織やプロジェクトの中でも細かい問題などは絶えず発生しているのでしょうが、うまくまわっている組織というのは、そういった個別の問題が生じてもグループ内の感情がネガティブな方向へと振れすぎない「良い空気」が流れていることに気付きます。
「良い空気」がグループ全体の士気を高め、結果として労働生産性が向上し、また、失敗をしてもお互いがカバーし合うため、修正と再起動が容易になるわけです。
一方、「悪い空気」が流れているグループというのは、お互いを信用していないため、相手の弱点を徹底的に探し、結果として労働生産性が低下し、失敗が生じるとそこを攻撃し合うので、修正と再起動が進まずにグループ全体がフリーズに陥ることになります…。
それでは、この「良い空気」「悪い空気」というのはいったいどこから派生しているのでしょうか。
個人的には、「良い空気」と「悪い空気」を生成しているのは大部分が「人の言葉(感情)」や「人の表情(態度)」だと感じています。
もちろん、ビジネスを進めていく上ではもっと具体的な各種スキルなども必要になりますが、それらを生かしていくための土台として「言葉」や「表情」が重要になってきます。
「言葉」と「表情」というのは実に大きな威力を持っています。その理由は、「言葉」と「表情」には強い感染力があるからです。これらはすでに様々な研究によって科学的にも証明されています。
例えば、グループ内に業務とは全く関係ない個人的なことで不機嫌になっている人間が一人いると、それらがグループ全体に伝染し、上記のギスギスした「悪い空気」を蔓延させてしまいます。まるで風邪をひいて感染力のある状態の人がマスクもせずに咳をしてウイルスをバラまくかのようにです。
私自身、いわゆる「口が悪い人」にはあまり近づかないようにしています。
「口が悪い」というのは「チャキチャキな言い回し」や「どストレート」な表現をすることなどではなくて、「愛がない」「感謝がない」「人を見下している」「差別的」などといった類の意味になります。
もちろん、口下手だったりする人もいるので、耳障りの良い言葉が発せられていればすべてよしということではなく(時に必要な叱咤激励もあります)、要は、「性格の悪い(意地の悪い)」言葉や言いまわし、自己中心的な「怒り」などが滲み出ている人やグループとの関わりを必要最低限にとどめるよう努力しています。
いくら自分に強い抵抗力があったとしても、ウイルスだらけの環境のなかで正常に働き続けることはかなり困難だからです。
とはいえ、自分自身もちゃんとできているわけではないので、引き続き「ツアー・オブ・ジャパン」に「良い空気」を送り続けるためにも、良い「言葉」と「表情」を持った人間を目指していきたいと思います。


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