それぞれの役割
東京五輪開催まで残り1年ちょっとなって参りました。
「自転車ロードレース」については、「金メダル候補!」と、周囲へ力強く紹介できる選手は、現状、残念ながら日本にはなかなかいない状況となっています…。
ちなみに東京五輪に於ける「自転車ロードレース関連」の種目は以下の様になっています。
・ロードレース(男子/女子)
・個人タイムトライアル(男子/女子)
ロードレースは自転車競技の中では最も競技人口が多く、また、マーケットの大きさ(この競技関連で食べている選手・スタッフ・メディアなどなどの関係者の数)もダントツに巨大な種目なので、ここで「トップ3」に入ることはとても大変なことだともいえます(競技人口比のメダル数も非常に少ないので…)。
また、五輪でメダルを獲るということは、同時にプロのトップクラスのワンデーレース(世界五大クラシックレースのモニュメントや世界選手権)で勝てるポテンシャルを得ることにも繋がるので、そこを本気で目指すということは、世界的なトップチーム(ロードレースで勝つためにはチーム力も必要なので)を生み出す環境の整備もある程度必要となってくるわけです。
すでに「東京五輪」には間に合いませんが、次の五輪や、その次の五輪に繋がっていく「ベース」を皆で早めに考えていかなくてはなりません。
ここでいう「皆」というのを、下記に挙げてみます。
「JCF(全体統括)」
「高体連(ジュニア選手発掘・育成)」
「学連(U23選手発掘・育成)」
「JBCF(レース運営/レース運営スタッフ育成/審判育成/全体統括)」
「各都道府県車連(自転車スクール/ウィーラースクール/レッスンレース開催)」
「UCIレース主催者(国内チームや国内コミセールの育成・強化/年間シリーズ戦の構築)」
「ナショナルチーム(ネイションズカップを中心とした世界標準の強化策の構築)」
「国内クラブチーム(ジュニア・U23選手発掘・育成/レッスンレース開催)」
「国内UCIチーム(ある程度まとまって可能性のある日本人選手に本場を経験させる)」
「国内メディア(共通の価値観を有し評価を一定にする)」
ほか…
カッコ内に書いた内容は、栗村が考える各団体の「それぞれの役割」になります。
もちろんいろいろな意見があると思いますので、これらはある程度議論して決めていかなくてはなりませんが、大切なことは、横並びでお互いをライバル視するのではなく、全体のヒエラルキー(五輪で金メダルを獲るという目的の元に構築された)のなかで自分たちの役割を認識し、そして、大きな目標を達成するために全体で協力し合える体制づくりです。
自転車ロードレースでは、皆が「エース」になろうとすると勝つことが難しくなります…。今一番必要とされているものは、文字通りチームプレーであることは間違いありません。