いつかは巨大中継車?
数ある「ツアー・オブ・ジャパン」の運営業務のなかで、難易度の高い業務の一つに「生中継(生配信/ライブストリーミング)」があります。
通常、屋外イベントなどで生中継を実施するためには、「移動テレビ局」ともいえる「中継車」が必要であり、巨大な車両だとその金額は「億」に近いともいわれています。
ご存知のように「ツアー・オブ・ジャパン」は8日間のステージレースのため、1日で完結するワンデーレースに比べてこういった各種費用は単純に考えると8倍必要になってきます(もちろん単純に8倍となるわけではありませんが…)。
ですので、稼働コストの高い巨大(高機能)な中継車をもし8日間運用するとなると、かなりの予算が必要になってきます。
一方、現在の「ツアー・オブ・ジャパン」というのは本当に多くの皆様の支えの上に成り立っている大会であり、大会規模に対する全体予算総額というのはビックリするほど低く抑えられています。
よくいえば、コストパフォーマンスが非常に良い「国際スポーツイベント」であり、中小規模の自治体さんでも誘致が可能な「身近な存在」であるわけです。
箱物(スタジアムやアリーナ)は必要なく、美しい自然とクルマの少ない道路があればよく、そして、ある程度の宿泊施設とメイン会場へのアクセスの良さが加わればベストな条件と言えてしまう身近さがあります。
その一方で、身近さに反比例するように、「生中継(生配信/ライブストリーミング)」を実施するための難易度は非常に高いスポーツともいえます…。
普通の街や大自然を一日限定でスポーツフィールドに変えてしまうわけですから、電源一つ確保するだけでもアクションが必要になってくるのです。撮影もオートバイやヘリコプターなどの移動体からがメインとなります。それとは別に固定カメラを何台も設置しなくてはなりません(道路上に置くのであれば警察への申請も必要になる場合もあります)…。
オールインワン型の巨大な中継車を全日程稼働させ、映像や音声を伝送して「生中継(生配信/ライブストリーミング)」を実施しようとすると、恐らく現在の大会総予算を超える金額の別予算が「生中継(生配信/ライブストリーミング)」のために必要になってくるでしょう。
現在の「ツアー・オブ・ジャパン」の大会フィロソフィーは「地域貢献・社会貢献(レースを開催することにより、直接的・間接的に該当地域を盛り上げていく)」となっていますが、今後、エンターテイメント性も強化していくフェーズを意識しようとすると、やはり本格的な「生中継(生配信/ライブストリーミング)」業務への取り組みが欠かせなくなってきます。
各種テクノロジーの進化により低コストでのLIVE配信が可能な時代となり、国内にも専門の制作会社がいくつか生まれはじめています。
いつかは巨大中継車(もしくはそれに該当するテクノロジーの進化)による多角的かつ高画質のLIVE中継(配信)を実現させたいです!