世代交代
どんな分野にも必ず「世代交代」というものが存在しています。
最も理想的な世代交代というのは、ある程度計画されたプロセスのもと粛々と進み、世代交代後も良い意味で大きな変化がなく、その上で長期的な成長曲線は継続されていくというパターンなのだと思います。
しかし、世の中で実際に起きている世代交代は、そんな理想的な形のものばかりではありません。
突然、クーデター的に起きる世代交代もあれば、逆に何年ものあいだ世代交代が実現されず、ある日突然前任者がいなくなる形でやむを得ず世代交代が行われるパターンというのも多々あるでしょう。
また、なんらかの理由により世代交代自体が困難な状況に陥り、その分野自体が消滅してしまうという最悪のケースもあったります…。
ですから、どの分野に於いても、多かれ少なかれ「世代交代計画」というものは常に稼働させておく必要があり、もしそれがないのであれば、その分野は確実に衰退へ向かってしまうことになってしまいます。
ちなみに世代交代という事象は必要不可欠な要素である一方で、現場レベルでは世代交代自体を歓迎していない人も一定数存在していたりもします…。
なぜなら、当たり前ではありますが、世代交代には必ず「譲る・辞める」側の人間が必要になってくるからです。
計画的な「引き継ぎ」であればまだ良いのですが、代わりたくないのに交代しなくてはならない状況の時は、人によってはあの手この手をつかって「世代交代」を阻止する動きに転じることも少なからずあったりするのでしょう。
但し、スポーツの世界に於いてはこの辺りはとてもシンプルです。
若い選手が競技で好成績を収めれば、パフォーマンスの良くない中堅選手や、教育ができないベテラン選手などは、勤続何年だろうが、いくら過去に好成績を収めていようが、費用対効果が低い人材から文字通り「ところてん方式」でチームから追いやられることになってしまいます。
逆にいえば、一般社会に比べて明らかな実力主義のスポーツの世界に於いて、世代交代が長期に亘って進まない状況が続いたとするならば、なんらかの大きな問題が根底に存在しているということにもなってしまいます。
そういった意味では、先日、大分市で開催された九州唯一のUCI公認国際自転車ロードレースに於いて、若い日本ナショナルチームの選手たちが活躍したことは、日本のレース界全体にとって、正常かつとても明るい方向性を示す結果に繋がったことは間違いありません。
「ツアー・オブ・ジャパン」というレースについても、これまで私自身ずっとそうしてきたように、どこかのタイミングで計画的なプロセスのもと、「世代交代」を進める時が必ずやってきます。
有益な「世代交代」を行うためにも、まずは普段から「ひとを育てる(任せる)」ということを常に意識して様々な取り組みを進めていきたいと思います。