次の50年へ
日本を代表する競技連盟のひとつである「全日本実業団自転車競技連盟(JBCF)」が50年の節目(1967年~)を迎えました。
「ツアー・オブ・ジャパン」が今年で20回目(1996年~)、前身大会である「国際サイクルロードレース」から数えてもまだ35年の歴史(1982年~)なわけですから、「全日本実業団自転車競技連盟」の歴史の深さを改めて実感します。
何事に於いてもそうですが、「歴史がある」ということは大きな価値及び武器となる一方で、過去から続いている伝統やしきたりが足かせとなり、時代の変化に対応できなくなるというリスクに晒される可能性も生じます。
そして、歴史ある企業や団体が生き延びるためには、更に、これまでにない成長を目指すのであれば、ほぼ間違いなくなんらかの痛みと向き合わなければならなくなります。
ですから、「周年記念」といった行事に触れる度に、それは「過去への感謝」と共に「過去との決別」と、「変化に対する決意」の場であるべきだと心の片隅で感じてしまう自分がいます。
とはいえ、偉大な歴史に触れるとやはりそこに対するリスペクトの気持ちも大きくなり、変化に対する「恐怖感」が前面に迫り出してきたりもします。
「歴史」とは、言い換えれば「チャレンジを続けてきたことの証」なのだと思います。
チャレンジを続けたからこそ、「歴史」と「伝統」が生まれたのは間違いありません。
「歴史と伝統を守る」という言葉がありますが、それに対して本当に「守り」に入ってしまったのならば、恐らく「重要文化財」の様な特殊のものを除いては殆どのものが衰退して消滅していってしまうはずです。
50年間続いてきたものでも、骨格を創る最初の5年間というのは、きっとあり得ないほどのチャレンジと発見の連続だったのでしょう。
本当の意味で「歴史」と「伝統」を守り次の50年を目指すのではあれば、先人たちが50年前に取り組んだ以上のチャレンジを続けていかなければならないということになるのだと思います。