快挙
12月8日(金)から12月10日(日)まで、チリのサンティアゴに於いて開催さていたUCIトラックワールドカップ第4戦にて、日本ナショナルチームが金メダル2つを含む計5つのメダルを獲得する活躍をみせました。
東京五輪まで3年を切ったこのタイミングで、これまで苦しい時間が続いていた日本のナショナルチームが大きな成果を挙げはじめています。
金メダルを獲得した「男子ケイリン」の脇本雄太選手と「女子オムニアム」の梶原悠未選手の活躍は本当に素晴らしかったですが、個人的に驚いたのは「男子チームパーシュート(一丸尚伍選手・近谷涼選手・今村駿介選手・沢田桂太郎選手)」で同種目史上初となる銀メダルを獲得したことでした。
タイムも3分59秒071の日本記録を樹立し、夢の3分台に突入しています。
「チームパーシュート」という競技は、これまで多くの自転車強豪国がメダルを独占してきた、いわば「自転車競技の基本」といえる様な重要な種目です。
自転車選手の基本となるスピードとパワー、集中力、そして優れた乗車技術がなければ好結果を残せないレースなだけに、ある意味で最も実力が試される種目ともいえます。
そんな種目で、年々レベルが上がり続ける世界を相手に日本のナショナルチームがメダルを獲得することは、正直、かなり難しいと個人的には考えていました。
しかし今回、日本ナショナルチームが快挙を成し遂げたことで、長年この世界にいる私自身の頭のスイッチ(固定概念)も大きく切り替わり、そして同時に、日本の自転車競技関係者全員に大きな希望の光をもたらすことに繋がると感じています。
現在、世界の一流ロード選手の中には「チームパーシュート」出身の選手が数多く含まれています。
世界の潮流は、「トラックの中長距離種目」で世界を極めたあと(自転車選手としての基礎的なパワーを身に着けたのち)に、一定の時間をかけてロードレースに順応していくという形が一つのスタンダードになっています。
私が現役時代、オーストラリアのトラックナショナルチームの選手たちが「ツアー・オブ・ジャパン」で大暴れするという光景を何度も目の当たりにしてきました。
なんとなく「日本人には無理な方法のかな」と思っていた光景が、もしかするといつか「ツアー・オブ・ジャパン」で見れるのかもしれません。