本当のツアー・オブ・ジャパン
すでにこのブログでも何度かご紹介している大分市が主体となって開催している総合型サイクルイベント「OITAサイクルフェス!!!(現在はJプロツアーとして開催)」の実行委員会に出席してきました。
今年で4回目を迎える同大会ですが、私が「ツアー・オブ・ジャパン」の仕事に就いた年と同じ2014年からはじまった大会ということもあり、個人的に想い入れがあるというか、レース主催者としての自分自身のキャリアとどこかリンクしている部分を感じてしまいます。
私が「ツアー・オブ・ジャパン」の主催者側に就いてから、「ツアー・オブ・ジャパン」にも「いなべステージ」と「京都ステージ」が新たに新設され、それぞれの実行委員会の皆さんと様々な時間(当然苦しい時間もありました)を共有してきました。
もちろんこれまでも「ツアー・オブ・ジャパン」には多くの美しいステージが存在してきたわけですが、私が主催者側に立つ前から存在しているステージというのは、自分にとってはどこか「先生」というか「先輩」的な存在であり、既存ステージ対しては「多くを教えてくれる存在」といったイメージを持っていました。
近年は、「自治体主導型」のレースやイベントが全国にどんどん誕生している状況にあり、私がスタートから関わったレースの多くもやはり「自治体主導型」が殆どとなっています。
元々、地域密着型チームの「宇都宮ブリッツェン」の監督時代に自治体が持つパワーと可能性に数多く触れていただけに、自分のなかではある意味で自然な流れだったのかもしれません。
実は、大分市は以前、「ツアー・オブ・ジャパンを大分スタートで」というプレゼンを「ツアー・オブ・ジャパン組織委員会」側に対して行ったことがあります。
「大阪~東京」でもかなりの難易度であることを考えると、恐らくその提案を受けた当時の「ツアー・オブ・ジャパン担当者」は「丁重にお断りする」以外に選択肢はなかったのだろうと察してしいます…。
一定の時を経て、大分市は独自に総合型サイクルイベントを開催し、そして、かつて一度は挫折した「UCIレースを開催する」という夢を取り戻すために、いま地道に歩みを進めています。
但し、現在のUCIの規定と将来的な方向性を考えた場合、日本を縦断する本当の意味での「ツアー・オブ・ジャパン」を開催する(九州スタート)ことについては、引き続き難しい状況にあるといえます。
ですので、もし、大分市がUCIレースを開催するとなると、選択肢としては「独自開催」という道しか残されていません。
「ツアー・オブ・ジャパンを九州スタートで」という夢を実現することは現状難しいのかもしれませんが、しかし、実質的に日本で最初に大規模な「国際サイクルロードレース」を開催してきた「ツアー・オブ・ジャパン」という存在が、これから「日本全国に国際レースを増やしていく」という、別の意味での「ツアー・オブ・ジャパン」プロジェクトを進めていくことは十分に可能なことだと感じています。
「ツアー・オブ・ジャパン」という名称に隠されたもう一つの本当の役割、それは日本のレース主催者同士の横の繋がりを生み出し、そして、共通の目標(哲学)を示しながら新たな未来を創り出していくことなのだと思います。