意識
先週末は、昨年に引き続き、秋田県由利本荘市で開催された「サイクルロードレース in 由利本荘」へ行ってきました。
地元自治体主導型のレースであり、東北地方在住の方々を中心とした参加者数300名弱の中規模の大会で、コースは海岸線を含む約5kmの平坦コースとなっています。
昨年までは右周りの周回を採用していましたが、最終コーナーでの落車が多かったこともあり、今年は左周りへと周回を変更しての開催となりました。
私自身、走る側、伝える側、レースを主催する側など、いろいろな立場で数え切れないほどのレースを観てきましたが、それでも「落車の方程式」というか、未だに「落車のメカニズム」を完全に理解しているわけではありません。
ただ、「安全そうにみえるコース」の方が、意外と落車の発生件数が多いというのは理解しているところではあります。
ちなみに「安全そうにみえる」というのは、「道幅が広くて直線が多いコース」のことを指します。
但し、走る選手のレベルによってもこれらは変化してきますし、やはり「開催してみないとわからない」というのが実際のところです。そして「落車を100%無くす」というのは、決して簡単なことではありません。
今年の由利本荘のレースでは、序盤のカテゴリーで落車が発生しました。
安全面を考慮してコースを変更した結果、落車が起きてしまうのは、同じくレースを開催する身としては、とても切なく感じる瞬間でもあります…
今回、由利本荘でのレースで印象的だったのは、落車をして怪我をされた参加者の方が、「転んでしまって申し訳ないです」という言葉を発していたことです。
また、一緒に転倒した参加者のなかにお医者さんがいらっしゃったこともあり、私が落車現場に駆けつけると、とても秩序だった形で落車後の事後対応がなされていました。
当然、主催側も真摯な対応をみせていて、レースを開催する側と、レースを走る側の気持ちが同じ方向を向いていて、「共にレースを創っている」という意識を現場から強く感じることができました。
日本国内で公道レースを開催することはとても大変なことです。
お金が無限にあれば、それこそ際限なく安全対策を行えますが、実際は「街のレース」でガチガチに対策ができているレースというのは、世界的にみても殆どないのが実情です。
主催者が安全なコースをつくり、走る側も安全を最優先に競争する、という共通の意識を持てれば、恐らく落車の数は劇的に減っていくのだと感じています。
意識の共有という、大切なことを教えられた秋田での週末でした。