35年の重み
先週、「第19回 ツアー・オブ・ジャパン」を終えて最初の「ステージ全体会議」を東京・目黒の自転車総合ビルにて開催いたしました。
会議では、主に今年の大会に関する報告・反省点などが話し合われ、また、来年の大会に向けた主要な取り組み内容などについても情報共有を行いました。
私自身、チーム側から主催者側に転身して3回目の「ツアー・オブ・ジャパン」を終えたわけですが、当初に比べると「大会事務局」と「各ステージ実行委員会」の皆さんとの距離感がだいぶ近づいたような気がいたします。
また、「石の上にも三年」という言葉がありますが、3年間いろいろなことを皆さまから学ばせていただき、ようやく「レースを開催する」ということの本質がみえてきたように感じます。
しかし、「大会ディレクター」としてはまだ1年目を終えたばかりですので、本当の意味での「石の上にも三年」をクリアするのはもう少し先の話になるのでしょう。
「ツアー・オブ・ジャパン」は来年で20回目の開催を迎える歴史ある大会です。
前身の「国際サイクルロードレース」まで遡ると、その歴史は1982年からとなり、来年で35年目を迎えることになります。
当然ですが、「35年前」を直接知る人間は現在の事務局内には独りもいません。
逆に考えると、35年前にいまの「ツアー・オブ・ジャパン」の姿を想定していた方は果たしていたのでしょうか。
35年の長い歴史の中で、この大会は本当に多くの方々に支えられながら、その時代ごとに運営形態を大きく変え、国内最大級の自転車ロードレースイベントとして紆余曲折を経ながら前進を続けてきました。
そんな中で、私自身と現在この大会に関わっているすべての関係者にとっては、やはり「今年」と「来年」という、身近な時間軸のことばかりが頭の中を駆け巡ってしまいます。
もちろん、目の前の積み重ねが未来を創っていくわけですからある意味で間違ってはいないのでしょうが、一方で、「35年前の先人の方々の想い」と、「35年後のツアー・オブ・ジャパンを開催している人たち」のことを意識しながら、「今」というこの時代に「ツアー・オブ・ジャパン」を担当しているということの重みを自覚しながら次のステップへと向かっていきたいと思います。