東京ステージという奇跡
先日、毎年の恒例作業となっている『東京ステージのコース調査』を実施しました。
スタート地点となる『日比谷公園』前から日比谷通りを南下し、周回コースが設定されている『大井ふ頭』へと、様々なチェック項目を確認しながら移動していきます。
そして、そのコース上にある全ての建物の状況(建物の名前の変更なども確認)、工事箇所、道路状況などを隈なくチェックしなければなりません。
私自身、主催者として『ツアー・オブ・ジャパン』に関わるのは今年で3回目となりますが、回を重ねるごとにレースを開催することの大変さを実感し、そして同時にこの『東京ステージ』が実施できていることの重大さを次第に理解できるようになってきました。
大袈裟な表現かもしれませんが、いまは『東京ステージ』が開催できていることを『奇跡』だと本気で感じるようになっています。
スタート地点の『日比谷公園』の立地というのは、数百メートル圏内に、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、国家公安委員会(警察庁)などの殆どの中央省庁があり、『丸の内警察署』の目と鼻の先という信じられないエリアなのです。
今でこそ、『東京マラソン』などの都市型・一般公道型のスポーツイベントなどは増えてきていますが、『ツアー・オブ・ジャパン』は、その前身の『国際サイクルロードレース』時代まで遡ると、1980年代前半からこの様な場所をつかったスポーツイベントを実施していたことになります。
逆にいえば、その時代だったから大会をスタートできたのかもしれませんが、それでも相当な準備と努力を強いられたことは想像に難くありません。
私はこれまで17回に亘り、選手・監督、そして主催者として、この『ツアー・オブ・ジャパン』に関わってきました。
一つ残念なのは、選手時代にこの『東京ステージ』を走れることの意味をちゃんと理解できていなかったことです。
『ツアー・オブ・ジャパン』の『東京ステージ』というのは、世界でも屈指の難コースを1週間に亘って走り切った選手たちだけに用意された『奇跡の舞台』であることを、大会ディレクターという立場から、改めて出場する選手たちに伝えたいです。