大会誘致
アジアナンバーワンを決める戦いである 『2016年アジア自転車競技選手権大会』 に続いて、6月には日本チャンピオンを決める国内の頂上決戦 『第85回全日本自転車競技選手権大会ロードレース』 の開催が決まった伊豆諸島最大の島、伊豆大島(東京都大島町)。
『ロングライド』、『参加型ロードレース』、『参加型ヒルクライム』などのいわゆる 『街おこしツール』 として採用されることの多い 『参加型サイクルイベント』 を開催した経験の少ない地で、いきなりアジアと日本のチャンピオンを決める 『選手権』 の開催を誘致し、しかもそれらを同年に実現したケースはとてもレアだといえます。
現在、国内で自治体などが 『誘致』 可能な国際レース、もしくはそれに近いステイタス性のあるレースというのは、以下の内容となります。
◯ 全日本選手権ロードレース
◯ ツアー・オブ・ジャパンのステージ(但し、現状では大阪~東京のエリアに限る)
◯ ツール・ド・北海道のステージ(但し、北海道内に限る)
※ 上記はUCIポイントを獲得できるレース
◯ 国体/都道府県対抗
◯ インカレ
◯ インターハイ
◯ Jプロツアー
※ 上記は国内のレジオナルレース扱い
一方で、UCI公認レースながら、『レースを誘致する』 という面で考えると、若干難しい形態なのが、
◯ ジャパンカップサイクルロードレース
◯ ツール・ド・熊野
◯ ツール・ド・おきなわ
の3レースになります。各レースとも非常に魅力あるレースではありますが、コースがすでに決まっているという部分で、『誘致』 という表現とは若干距離があいてしまいます。
『誘致』 の強みというのは、すでにある程度の 『ステイタス』 と 『仕組み』 が出来上がっているコンテンツに参画することで、コストと労力を抑えつつ大きなバリューを獲得できる可能性が高い部分にあります。
完全にゼロから新たな国際レースを企画しようとすると、予算はかさみますし、準備の面に於いては相当な負担を受け入れる覚悟が必要になるでしょう。
もちろん、既存のレースを 『誘致』 することには、メリットだけでなく一定のデメリットも存在しますが、それでも有効な選択肢の一つであることは間違いないので、まずは、参画可能なパッケージの拡充と、そのシステムの構築が急務だと感じています。