出場チーム選考
2016年シーズンに向けた、海外の「コンチネンタルチーム」や「プロコンチネンタルチーム」のUCI登録申請期限が過ぎ、我々レース主催者のもとへ彼らから続々とレース出場に関する問い合わせが届いています。
「5月下旬開催のレースなのにもうこの時期から問い合わせ?」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、現在、世界的に「レースの数」に対して「チームの数」が多くなり過ぎている傾向にあり、チーム側は早めにレース主催者とコンタクトをとり、レースへの参加を確約したいという思惑を持っています。
チーム側にとって、2016年の活動スケジュールの作成というのは、チームスポンサーに向けた最初の「活動報告」といっても過言ではなく、レースへの出場が決まっていない状態ではスポンサーに「お金を出しください」と言えるはずもないので、シーズン開幕に向けた重要な仕事として各チームとも年々動き出しが早くなっている模様です。
ですから、各チームは「レースの出場権を奪い合う」状態となっており、時に、あの手この手を使ってでも、レースへの出場を確保しようと行動するわけです。
「国際レースの出場チームの選考はチームとレース主催者が直接連絡を取り合って勝手に決めているの?」と驚かれる方もいらっしゃいますが、「ツアー・オブ・ジャパン」の場合UCIアジアツアークラス2.1のレースですので、優先出場権を持つのは「前年のアジアツアーチームランキング上位3チーム」のみとなっており、全体の出場チーム数や、その他のチーム選考については、ルールの範囲内であれば主催者が各チームと直接連絡を取り合って自由に選ぶことができるのです。
では、レース主催者は、チームをどの様な基準で選ぶのか?
レース主催者によって価値観はバラバラだとは思いますが、一般的に以下の様な項目が考えられます。
・チームバリュー(集客力のあるチームか?)
・チームイメージ(ルールを守りレースのイメージを損なわないか?)
・経済面(渡航費などをチーム側が負担できるか?)
・競技力(開催地域のレベルアップに繋がるか?)
レース主催者とチーム側の利益というのは時に相反することがありますが、その中でお互いにとって良い妥協点をみつけられれば、実際に出場する方向で交渉が進められていくことになります。
レースが開催されるまでにはまだ半年以上あるわけですが、「ツアー・オブ・ジャパン」規模の大会になりますと、1年を通じて様々な業務をこなしていく必要があるのです。