コース難易度
「ツアー・オブ・ジャパン」を象徴するステージの一つである「富士山ステージ」の地元、静岡県小山町へ各種打合せのために行ってきました。
現在、「富士山ステージ」は、一斉スタートのヒルクライムレースとして開催されています。
使用されるコースは、小山町側から五合目へ向かう「ふじあざみライン」で、全長11.4km、標高差1,200m、平均勾配は10%を超え、特に中盤過ぎからは平均18%、最大22%の激坂区間を含む厳しいルートとなっています。
コースレコードは、2015年大会でラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム)が記録した38分27秒。これまでのコースレコード(2014年ミルサマ・ポルセイェディゴラコールの38分51秒)を24秒も塗り替える素晴らしい走りをみせました。
ちなみに日本人選手のコースレコードは、2010年のJプロツアーで森本誠選手(イナーメ信濃山形)が記録した42分11秒で、たった40分のレースで実に4分近い大差がつくことになります(クライマーではない大半の選手は10分近い差をつけられてしまう…)。
現在の「ツアー・オブ・ジャパン」で総合優勝を飾るためには、この「富士山ステージ」で少なくともステージ優勝争いに加わる必要があります。他のステージで1~2分のタイムを稼ぎ出してもここで全てがひっくり返ってしまうわけです。
ちなみに、今年の「ジャパンカップサイクルロードレース」では、日本人選手の活躍により、大会全体の盛り上がりが例年以上のものになっているのを目の当たりにしました。
コース設定がレース展開に大きな影響を与えるのは誰しもが知るところではありますが、日本国内でコースづくりを行う際は、難易度を考える前に、その他多くの要素を考慮し優先しなくてはならない「各種事情」があります。
制限のある環境の中で、息を飲む戦いを生み出すコースを設定するのは簡単ではありませんが、それがレース主催者としての手腕の一つであることは間違いありません。
まずはできることを一つずつ実現していきたいと思います。