本場のレースの安全面
先週、今年の 『ツアー・オブ・ジャパン』 のイメージデザインが決まり、各種印刷物のサンプルなどが大会事務局に順次届きはじめております。
これまでと違った雰囲気で個人的にとても気に入っています!
さて、4月に入り、本場ヨーロッパでも数多くのプロレースが開催されています。
そんな中、UCI(国際自転車競技連合)が直接調査に乗り出すと報じられている事件が2件発生しました。
一つ目は、先日の日曜日にフランスで開催された “クラシックの女王” 『パリ~ルーベ』 で発生した 『踏切事件』 です。
『パリ~ルーベ』 のコース上には踏切を横切る箇所がいくつか設定されていますが、そのうちの一つをプロトンが通過する際に遮断機が閉まりはじめ、プロトンを真っ二つに分断しました。
自転車ロードレースでは 『遮断機が閉まりはじめたら選手は必ず停止する。もし突破した場合は失格にする。』 という明確なルールが決められています。
しかし今回、多くの選手が閉まりはじめた遮断機をかいくぐって無理に通過していきました。
これに対してフランスの鉄道会社 SNCF は正式に遺憾の意を表明しています。
最後の選手が踏切を突破してから約8秒後にフランスの超特急列車 『TGV』 が踏切を通過していく映像が世界中に配信されたわけで、いくら100年以上の歴史がある伝統のレースとはいえ、コンプライアンス的にも放置するわけにはいかなかったのはよく理解できます。
二つ目は、スペインで開催された 『バスク1周』 で起きた 『鉄柱事件』 です。
なんと、下記写真の鉄柱がゴール前500mの最終ストレートに放置されており、ゴールスプリントに突入した先頭集団の数選手がここに激突して大怪我を負うという事故が発生しました。
今回の事件はともに 『伝統』 にあぐらをかいた結果だったのでしょうか?
自転車ロードレースは自然の地形(街)を利用して開催するスポーツイベントなので、予期せぬ事故というものを100%排除するのはかなり困難といえます。
しかし、レースのお手本となるべき 『ワールドツアー』 の2レースで発生したこれらの事件は、決して回避不可能なものではなかったはずです。
ヨーロッパのローカルスポーツだった自転車ロードレースが、今後世界的に認められていくには、まだまだ整備しなくてはいけない要素が数多く残されている気がします。