安全対策
先週末、国内の主要シリーズ戦の一つであるJBCF(実業団)ロードシリーズの最高カテゴリー、『Jプロツアー』 が宇都宮で開幕しました。
今年は、昨年を上回る11,000人の観客が会場に集まり、また、実業団レースとしては初となる(国内レース全体でみても異例)地上波(とちぎテレビ)でのテレビ生中継が実現いたしました。
少しづつですが、確実に歩みを進めている国内レース界の発展を改めて実感します。
そんな中、毎年のことではあるのですが、開幕戦ということもありレース中の落車が多発しました。
レース関係者からみれば 『シーズン最初のレースはいつも落車が多い。また、コース的にも改善が必要だし、審判や出場している選手たちのスキルをもっと上げる必要がある。』 といった問題意識は持っているものの、正直、レースの開催自体をひっくり返すような社会的な問題が起こった、という危機感を感じたわけではないと思います。
しかし、今回も一部のメジャーテレビメディアのニュースに於いて、レース中の落車を 『事故』 や 『重傷(大腿骨骨折)』 という表現を使っての報道がなされました。
これらは事実であり、関係者は落車ゼロを目指す動きを続けなくてはいけないのですが、一方で何故一部の報道にネガティブなバイアスがかかってしまうのかを同時に考えていく必要があります。
冷静に考えると、この週末に日本全国でスポーツに関連して発生した怪我の数というのは、それこそ星の数ほどあったはずです。
サッカーの試合で骨折した、スノーボードで転倒して頭を打ち病院へ運ばれた、柔道で靭帯を切った、マラソン大会中に倒れて救急車で運ばれた…
しかし、その多くの “怪我” の中から、普段はスポーツとしての報道はあまりされない自転車がしっかりとピックアップされてしまう原因を追求しなくてはいけません。
安全対策にはゴールはありません。全てのリスクを排除し事故をゼロにするまで半永久的に取り組みを続けていく必要があります。
それと同時に、自転車というスポーツの真実を知ってもらうための一般社会との対話を、しっかりと進めていかなければならないのだと強く感じました。