第5ステージ レポート
5月22日(金) ツアー・オブ・ジャパン 第5ステージ(富士山/11.4km)
来場者数:5,800人
気温:21度
天候:晴れ
5月22日、ツアー・オブ・ジャパン2015 第5ステージとなる『富士山ステージ』が静岡県駿東郡小山町のふじあざみラインにて開催されました。
選手たちは小山町生涯学習センターを出発し、富士スピードウェイ、須走商店街を通る13.2kmのセレモニーランのあと、午前10時にふじあざみライン入り口からスタートを切りました。
『富士山ステージ』は、ふじあざみラインを使って、富士山須走口五合目まで駆け上るヒルクライムステージで、走行距離は11.4kmと短くなっておりますが、最大勾配22%、平均勾配10%と非常に厳しい登坂区間を走るため、個人総合時間賞を狙ううえで、ツアー・オブ・ジャパンの全ステージのなかでもっとも重要になると言われています。
スタート直後に、『いなべステージ』の勝者であるラファー・シティウィ(チュニジア、スカ
イダイブドバイ プロサイクリング)がアタックをかけ、一時先行しますが、登坂を得意とするイラン籍のピシュガマン ジャイアント チームが積極的にペースアップさせてシティウィを吸収し、すぐに集団は一つに戻りました。
斜度の高いカーブが連続するレース中盤になっても、ピシュガマン ジャイアントチームはハイペースでレースを進め、次々に選手が集団から遅れていきます。そして、中間点にある旧馬返では、先頭集団はわずか9選手に絞られました。そのなかに、ピシュガマン ジャイアントチームは4選手を送り込み、レースを優位に進めます。
そして終盤には、ピシュガマン ジャイアント チーム3選手と、昨年の本大会の覇者であるミルサマ・ポルセイェディゴラコール(イラン、タブリーズ ペトロケミカルチーム)のイラン人選手4名が先行する形となり、最後にラヒーム・エマミ(イラン、ピシュガマン ジャイアントチーム)を先頭にして集団は崩壊。
そして、そのままヒーム・エマミが雲のかかった富士山五合目のゴールラインを先頭で通過し、区間賞を獲得しました。
ゴールタイムは38分27秒で、これまでのコースレコード(2014年ミルサマ・ポルセイェディゴラコールの38分51秒)を塗り替える素晴らしい走りを見せました。
個人総合時間賞は『富士山ステージ』で2位に入ったミルサマ・ポルセイェディゴラコールが、2位のラヒーム・エマミに19秒差。山岳賞は今日の覇者であるラヒーム・エマミ、新人賞は区間11位のイリア・コシェヴォイ(イタリア、ランプレ・メリダ)、ポイント賞は本日はポイントの設定がなかったため、引き続きフランシスコ・マンセボ(スペイン、スカイダイブドバイプロサイクリングチーム)が獲得しています。
また日本人最高位は22位の増田成幸(宇都宮ブリッツェン)で、タイムは42分27秒でした。
区間賞 ラヒーム・エマミ選手のコメント:
「ツアー・オブ・ジャパンに出場するのは初めてで、もちろん富士山のコースを走るのも初めてのことだが、チームの誰かが優勝したいと思ってスタートした。最後の局面で他のチームメートが遅れてしまい、自分がいくしかない状況だった。本当は今日のステージで総合リーダーも取りたかったが、タイム差は僅差なので明日のステージで逆転を狙いたい」
個人総合時間賞 ミルサマ・ポルセイェディゴラコール選手のコメント:
「富士山ステージを良く知っている。とても厳しいコースだと思う。今日は総合順位のことを考えながら走った。みなさんに応援してもらい、リーダージャージを着用することができて嬉しい。今日のレースはタイムトライアルではないので、レース展開によってタイムが異なるので、去年の自分のタイムを考えることよりも、グリーンジャージを獲ることに集中して今日は走った。レースなので何が起こるかわからないが、最後までリーダージャージを守りたいと思う」
日本人最高位 増田成幸選手のコメント:
「台湾で骨折してから、調子が上がらずにきていたが、このレースに合わせて調整してきた。タイムは例年と変わらず、自分のベストは尽くしたと思うが、総合順位では大きく遅れてしまっている。明日のレースでは、ステージでも総合でもいいので、1ポイントでもUCIポイントを獲得できるように頑張りたい。今回の成績は日本人のレベルがこのくらいだということを表しているのだと思う。ほかの外国人選手のレベルが上がっているなかで、自分たちが停滞していてはいけない。日本人がもっと走れるということを海外勢に見せられるように、海外のトップ選手に少しでも近づけるように努力をしていきたいと思う」
明日、5月23日(土)は静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターで第6ステージとなる『伊豆ステージ』が開催されます。