チームメイトの完璧なリードアウトを受けた窪⽊一茂（チームブリヂストンサイクリング）が、スプリント勝負を制して東京ステージ優勝。個人総合時間賞はネイサン・アール（JCL TEAM UKYO）の大会2連覇となった。

ツアー・オブ・ジャパン 2023は、いよいよ最終日。東京ステージは毎回恒例、超⾼速スプリントバトル必⾄の⼤井埠頭周回コース112km。ここまで7日間600km以上を走ってきた選手達は、この東京の地でフィナーレを迎える。個人総合優勝争いは、ネイサン・アール（JCL TEAM UKYO）が45秒のアドバンテージがあるが、1分差以内に3名がひしめき、その行方はまだまだ予断がない。ポイント賞争いもまた、その行方は最終のゴールスプリントで決着となる。

レースは1周回目のアタック合戦で幕を開けた。3周回目に入り、橋川丈（EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム）、小林海（MATRIX POWERTAG）を含む5名の選手が逃げ集団を形成。メイン集団に18秒のタイムギャップを築き、4周回目にはその差を28秒と広げる。ここで集団は逃げ集団を容認する形となり、メイン集団はJCL TEAM UKYOがコントロールを開始した。
レースは折り返しの8周回完了時点で、尚も5名の逃げ集団とそれを追走するメイン集団という形でタイムギャップ1分42秒。依然メイン集団をJCL TEAM UKYOがコントロールするが、最大タイムギャップ1分52秒まで広がり、残り周回が5周回となったあたりから、トリニティ・レーシング、ソフェル・サヴィーニ・デュー・オムズがメイン集団の先頭に躍り出て徐々にペースアップ開始。一気タイムギャップを30秒縮めて、1分8秒差で残り4周。

メイン集団は、更に追撃の手を緩めず、36秒差まで詰めて残り3周となったところで、逃げ集団は最後の力を振り絞って再度ペースアップ。一度縮まったタイムギャップを再び1分に広げて残り2周。しかしメイン集団が15秒差まで詰めて最終周回に突入。

優勝の行方は最後の集団スプリント勝負に持ち込まれた。ラスト1km、激しい位置取り合戦から、いち早くトレインを組んで最終コーナーを立ち上がったのはチーム ブリヂストン サイクリング。チームメイトの完璧なリードアウトを受けた窪⽊一茂（チーム ブリヂストン サイクリング）が、最後鋭く伸びて見事ステージ優勝を飾った。この瞬間、集団でフィニッシュしたネイサン・アール（JCL TEAM UKYO）が大会2連覇となる個人総合優勝を果たした。ポイント賞は今大会ステージ3勝のルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）。日本人トップは岡篤志（JCL TEAM UKYO）で個人総合3位。見事に個人総合の表彰台に上がりました。

ネイサン・アール（JCL TEAM UKYO）のコメント:
「自分の今の気持ちを上手く表現できませんが、本当に嬉しいです。昨年優勝して、またここに戻ってくることが大きな夢でした。チームメイトがハードワークをしてくれて、自分自身も怪我からの復帰にハードワークをした結果、こうしてファンの皆さんも盛り上がってくれて、最後は表彰のステージに拍手で迎えてくれたこと、本当嬉しく思います。」

ルーク・ランパーティ（トリニティ・レーシング）のコメント：
「とても素晴らしい大会だったと思います。今回が初来日でしたが、日本という素晴らしい国に来られて、チームも私も良い結果を出すことができて本当に嬉しいです。また日本に帰ってきたいです。」

レオネル・キンテロ・アルテアガ（ヴィクトワール広島）のコメント：
「8ステージのTOJは初参加でした。とても長いレースで難しかったですし、海外からのチームも多かったので、とてもレベルが高い大会でした。ただ、その中で素晴らしい結果を出すことができて良かったと思います。十分な準備もできていましたし、チームも私を信頼してくれたので、山岳賞を獲ることができました。」

リアム・ジョンストン（トリニティ・レーシング）のコメント： 
「今回は初来日になりましたが、各ステージがとても楽しいものになりました。それぞれの地域で様々な景色が見られて、それぞれのステージが違うキャラクターを持っていたと思います。自分が慣れているコースレイアウトとは違いましたが、今回は良い結果を出すことができました。」

窪⽊　一茂（チーム ブリヂストン サイクリング）のコメント：
「本当に嬉しくて、今ちょっと言葉がでないです。作戦では、残り500mからトレインを組んで、最後は60km以上でリードアウトして欲しいとだけ言っていました。美濃ステージでは、最後刺されてしまったので、油断せずに最後まで踏みました。」

岡　篤志（JCL TEAM UKYO）のコメント：
「富士山ステージもあるので、自分は本来総合を争うプランではなかったのですが、今回展開が恵まれて、コンディションもとても良かったので総合3位という結果出て嬉しいですし、自分の成長も感じられました。次は熊野もありますが。全日本選手権に向けて調整したいと思います。」

清水　裕輔（JCL TEAM UKYO）監督のコメント：
「皆さん、8日間ありがとうございました。皆さんの応援のお陰で我々もモチベーションをキープここまで来られました。ただ、我々はこれから世界に出て行こうと思っていますので、ここで立ち止まることなく、しっかりと前を向いて進んで行きたいと思います。」

第8ステージ順位
1位    窪⽊　一茂    （チーム ブリヂストン サイクリング）    2時間22分30秒
2位    岡本　隼    （愛三工業レーシングチーム）    ＋0秒
3位    小野寺　玲    （宇都宮ブリッツェン）    ＋0秒

個⼈総合時間賞（グリーンジャージ）
1位    ネイサン・アール    （JCL TEAM UKYO）    17時間45分01秒
2位    ベンジャミン・ダイボール    （ヴィクトワール広島）    +45秒
3位    岡　篤志    （JCL TEAM UKYO）    +55秒

個⼈総合ポイント賞（ブルージャージ）
1位    ルーク・ランパーティ    （トリニティ・レーシング）    114pt
2位    岡　篤志    （JCL TEAM UKYO）    93pt
3位    イエルン・メイヤス    （トレンガヌ・ポリゴン・サイクリングチーム）    72pt

個⼈総合⼭岳賞（レッドジャージ）
1位    レオネル・キンテロ・アルテアガ    （ヴィクトワール広島）    41pt
2位    兒島　直樹    （チームブリヂストンサイクリング）    38pt
3位    カーター・ベトルス    （ヴィクトワール広島）    18pt

個⼈総合新人賞（ホワイトジャージ）
1位    リアム・ジョンストン    （トリニティ・レーシング）
2位    ルカ・イェンニ    （EFエデュケーション・NIPPO ディベロップメントチーム）
3位    ケヴィン・マッカンブリッジ    （トリニティ・レーシング）