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栗村修のワールドツアーへの道

KURIMURA's Blog

北欧の自転車競技事情

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今年、世界最大の自転車レース「ツール・ド・フランス」で個人総合優勝を飾ったのは、北欧デンマーク出身のオールラウンダー、ヨナス・ヴィンゲゴー選手(ユンボ・ヴィスマ)でした。デンマーク人選手のツール制覇は26年ぶり2度目の快挙となっています。

一方、オーストラリアで開催された「ロード世界選手権2022」では、同じく北欧ノルウェー出身のトビアス・フォス選手(ユンボ・ヴィスマ)が男子エリート個人TTで、ソーレン・ヴァーレンショルト選手(Uno-X)が男子U23個人TTでそれぞれトップタイムを叩き出し、2枚の「アルカンシェル」を獲得しています。

この様に、近年ロードレース界に於いて北欧勢の活躍が非常に目立つ状況が続いています。ちなみにデンマーク及びノルウェーの人口やプロ選手の数などを確認してみましたので以下に掲載いたします。

◯人口
デンマーク:約590万人
ノルウェー:約540万人
※参考:東京都1,4000万人、神奈川県920万人、千葉県620万人、兵庫県540万人

◯UCIワールドツアー所属選手数
デンマーク:27名
ノルウェー:10名

◯UCIプロチーム所属選手数
デンマーク:8名
ノルウェー:26名

◯UCIチーム数
デンマーク:UCIコンチネンタルチーム=4チーム
ノルウェー:Uno-X(UCIプロチーム)/UCIコンチネンタルチーム=2チーム

◯UCIレース数
・UCIワールドツアー
デンマーク:0
ノルウェー:0
・UCIプロシリーズ
デンマーク:1
ノルウェー:2
・UCIヨーロッパツアー
デンマーク:2
ノルウェー:4

正直、両国の人口やプロ選手数などをチェックしてみると、それほど大きな数字を持っているわけではないことがわかります。

また、プロチームについては、ノルウェーに「Uno-X(UCIプロチーム)」が存在するのみで、デンマークについてはひとつもない状況となっています…。

そしてUCIレースについても、ワールドツアーは0レース、プロシリーズが両国合わせて3レース、ヨーロッパツアーについても合計6レースに留まっています。

それではなぜ近年活躍が目立っているのでしょうか?

簡潔に表現すれば「コンパクトかつ効率的な取捨選択を行なっているから」だと推測されます。

チーム運営やレース運営など、多くのリソースを消費する取り組みの数を絞り、ナショナルチームを軸に才能のある若い選手を見つけて適切な指導を行い、最短ルートで他国のトップチームへ引き上げる戦略に特化している様に感じます。

また、若年層の強化はロードレース以外の種目にも力を入れており、自転車選手としての才能を発掘&開花させたのちに、「最先端の強くなる秘訣」が詰まっているワールドチームに選手を委ね、そのチーム内にある「秘密」を選手を通じて自国の指導者や若者にフィードバックするという手法を取り入れています。

両国の人口は日本の千葉県や兵庫県の人口とほぼ変わらず、確率論的には、日本の一地域に絞って発掘&強化を特化させても成果を挙げられる可能性は十分にあることになります。

いずれにしても、選手強化の面に於いては「コンパクトかつ効率的な取捨選択を行なう(戦力の集中)」ことが重要なのは間違いなさそうです。

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