TOJホームチーム・ホームステージの連携事業
いなべステージ実行委員会 広報担当
田中 国大
皆さんお久しぶりです。TOJいなべステージの田中です。
いなべステージのホームチームであるキナンサイクリングチームの2018TOJ総合優勝から5ヶ月、いかがお過ごしでしょうか。
本日は「ホームチーム」「ホームステージ」の取り組みについてお伝えします。
2018.5.22 TOJいなべステージ後に記念撮影するキナンサイクリングチーム選手
PHOTO:HIDEO MUKAIYAMA
まず、「ホームチーム/ホームステージ」制度についてのおさらいです。TOJ大会ディレクターの栗村さんの執筆するTOJブログ「栗村修のワールドツアーへの道」より抜粋。(2016年3月8日)
私がかつて監督を務めていた「宇都宮ブリッツェン」は、宇都宮という地域で、地元の人たちに愛され応援されるチームへと急速に成長してきました。
宇都宮ブリッツェンの特徴は、「宇都宮」という名がついた「おらが街」のスポーツチーム(宇都宮の名を冠したプロのスポーツチームは宇都宮ブリッツェンのみ)を応援するというモチベーションが根底にあるため、選手が入れ替わってもファンの数が大きく減ることはなく、また、他チームへ移籍していった選手たちを応援するという温かさも持ち合わせています。
そこで、「ツアー・オブ・ジャパン」では、ステージごとに独自の「ホームチーム」を設定し、地元の人たちが「想いを込めて応援する」対象をレースサイドから提案することになりました。
また、「ホームチーム」に指定されたチームは、レース開催期間外にも「ホームステージ」を訪れ、例えば、子どもたちとの交流イベント参加や、対象地域内での強化合宿の実施など、「本物の交流=地元チーム」という価値観を育てていき、「本気で応援する」「本気で応援される」という文化を創りあげることを目標にしています。
このような理念・目標のもと、2016年よりTOJ全体として制度がスタートしました。そして晴れていなべとキナンとの歩みが始まりました。
ですが、2015年にTOJへ初開催したいなべステージと、同じく2015年にプロチームとして誕生しTOJへ初参加したキナンとの間では、そういった「新参者」としてのシンパシーや、三重・和歌山といったチーム拠点の地域性もあり、制度化される前の2015年より連携を深めて様々な取り組みを行っていました。
これまでのいなべ市とキナンサイクリングチームとの取り組みを一覧にすると以下の様になります。
◯いなべ市とKINAN Cycling Team のあゆみ
2015年5月 ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ初開催(18回大会)
KINAN Cycling Team 初出場
2015年9月 イオンモール東員にて「健康づくりフェア」開催
KINAN Cycling Team による交通安全教室開催
2015年11月 第19回ツアー・オブ・ジャパン事前イベント開催
KINAN Cycling Team をゲストにトークショー開催
KINAN AACAカップをいなべ市で初開催
2016年3月 いなべ市のホームチームとなることを発表
2016年4月 KINAN AACAカップ開催
2016年5月 東藤原小学校・治田小学校にて交通安全教室開催
2016年6月 ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ開催(19回大会)
KINAN Cycling Team 出場
加藤GMが「TOJアンバサダー」として解説を担当し、
ライブストリーミング及びいなべFMで生中継
2016年7月 KINAN AACAカップ開催
2016年10月 KINAN AACAカップ開催
KINAN Cycling Teamをゲストに迎えたサイクリングイベント
「いなべヴェロフェスタ」初開催(参加者325名)
2017年4月 員弁西小学校での交通安全教室開催
2017年5月 観光事業としてイベントを共同企画
女性向け講座「理想の美脚メイク」開催
仮入団 KINAN Cycling Team ~TOJいなべ50km~開催
仮入部 KINAN Cycling Team ~TOJいなべ70km~開催
ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ開催(20回大会)
KINAN Cycling Team出場
加藤GMが「アンバサダー」として解説
2017年6月 KINAN AACAカップ開催
2017年9月 第2回いなべヴェロフェスタ開催(参加者650名)
2018年4月 2018ツアー・オブ・ジャパン事前イベント開催
KINAN Cycling Team をゲストにトークショー開催
市内サイクリングイベント開催
2018年5月 十社小学校で交通安全教室開催
員弁東小学校で交通安全教室開催
2018ツアー・オブ・ジャパンいなべステージ開催
KINAN Cycling Team出場
加藤GMが「アンバサダー」として解説
2018年6月 KINAN AACAカップ開催
2018年9月 第3回いなべヴェロフェスタ開催(参加者728名)
DENSO大安製作所内で開催「キッズヴェロフェスタ」を同日開催し、
KINAN選手がゲストライダーとして出走
こうして見ていくと、チームの活動はTOJ出場だけではなく、東海地方のプロ志向の選手の育成レースである「KINAN AACAカップ」の開催、交通安全教室の開催、サイクリングイベント「いなべヴェロフェスタ」の開催など、いなべ市の自転車事業の多岐に渡り貢献していただいています。
2018.5.8 十社小学校での交通安全教室の開催
PHOTO:TOMOHIRO TANAKA
特に、今年で3回目となった「いなべヴェロフェスタ」については、いなべ市での開催をKINAN Cycling Teamの加藤 康則GMが発案し「TOJで応援していただいていることへの恩返し」という理念から始まったイベントです。
いなべヴェロフェスタは、参加者から集めた参加費で大会の経費は賄われ、そのほとんどがエイドステーションの飲食費や、地元で発注される印刷費などに充てられ、大きな地域貢献や経済効果をもたらすイベントとなっています。
イベントは1日のものですが、大会前に試走に訪れるサイクリストが大勢おり、また口コミで評判が広まるなど、東海地方でも評判の高いサイクリングイベントとなっています。
その人気度はエントリーが毎年難しくなっていっていることに顕著に示されており、初回は1ヶ月で300人が埋まったエントリーが、今年は700人がわずか3日でエントリー終了となるイベントとなってしまいました。
2018.9.16 いなべヴェロフェスタ 700名超の参加者と記念撮影
PHOTO:TOMOHIRO TANAKA
いなべ市内を走る「三岐鉄道三岐線」 普段からサイクルトレインを運行し、いなべヴェロフェスタの日には大活躍
PHOTO: CYCLE JAM SAORI HIDAKA
TOJの大会スポンサーでもある、「DENSO」のいなべ市内にある大安製作所で、今年初開催した社会貢献活動としてのイベント「キッズヴェロフェスタ」で子ども達を先導する椿選手
PHOTO:TOMOHIRO TANAKA
なんと自費で作ったいなべ×キナンのポスターをこれまた自費で三岐鉄道に持ち込み阿下喜駅を始め複数駅に掲示を行った中島康晴選手
PHOTO:KINAN Cycling Team SYUNSUKE FUKUMITSU
そうして、そういった応援が後押しになれたかは分かりませんが、2018年シーズンではキナンサイクリングチームが大躍進!TOJ優勝、全日本選手権の制覇、そしてUCIアジアツアーランキングでの1位の獲得と、アジア最強のチームとしての時代が始まったように感じています。
もちろん、少しずつ取り組みを重ねていっているとはいえ、宇都宮市とブリッツェンのような、本当の意味での地域の人が熱狂して応援しているような仕組みにはまだほど遠いです。先日視察に伺ったジャパンカップではその空気感や、歴史、取り組みの差に愕然として気持ちが引き締まりました。いなべでも今後歴史を重ねて、よりホームステージとしての体制を整え、ホームチームとして浸透し、他のチームの選手が「めっちゃアウェーやん」と感じられるような、そういった地点までたどり着き、念願のキナンのTOJいなべステージ優勝をお迎えしたいと思います。
ジャパンカップ期間限定のブリッツェンの発信拠点。展示の内容が圧巻です
PHOTO:TOMOHIRO TANAKA
今後もいなべステージはキナンサイクリングチームと共に進化し続けます!
いなべステージにも、キナンサイクリングチームにも応援宜しくお願い致します!
KINAN COUPE DE AACA HP https://www.coupedeaaca.com/