自転車の交通ルール!?
ツアー・オブ・ジャパン組織委員会 委員長
田中栄作
年が明けるともうすぐTOJ。そんな1年の過ごし方をする生活も7回目を迎えました。ツアー・オブ・ジャパン組織委員会委員長の田中栄作です。本年もTOJをよろしくお願いいたします。
巷では今年は自転車活用元年などと言われているようです。そこで、今回のテーマは少しTOJを離れ、自転車の交通ルールについてです。自転車を乗るときにはルールを守りましょうとよく言われます。とても大事なことでもあります。でも、簡単には守れない、そんなルールもあります。
まずは、合図について。
自転車での右左折は、曲がる方向の腕を水平に伸ばすか逆側の腕を水平に上げて肘を垂直に上に曲げます。合図を出す人自体滅多にいませんが、スポーツバイクに乗るサイクリストには颯爽と合図する人もいます。しかし、ルール上の正しい合図ができている人はいるのでしょうか? 正しい合図は曲がる地点の手前30メートルから開始し、曲がり終わるまでずっと出し続けていなければならないのです。(道交法53条、同施行令21条)従って当然片手で右左折することになります。高い集中力と技術が必要なのです。
2つ目は追い越しについて
片側2車線(正確には車両通行帯)以上の道路において、第1車線(一番左のレーン)を通っている自転車を後方の自動車が追い越す場合、少し間をあけ追い抜くのはルール違反で、きっちり第2車線(1つ右のレーン)に入ってから追い抜かなければなりません。(道交法20条)守っていない自動車が多いと思いますが、どうでしょうか? でも、大変なのは自動車だけでなく、自転車が自転車を追い越す場合も同様だということです。知らない人が多いと思いますが、仮に知っていても実践できるサイクリストは少ないでしょう。
簡単には守れないルールもある、お分かりいただけたでしょうか?
もちろん、これらのルールを守らなくても、即違反ということにはなりません。ルールを守るために却って危険になる場合はルールを無視して差し支えないと解されるからです。しかしながら、こうしたことがルール軽視につながるのも事実です。ルールを守って安全に自転車が活用されるよう、こうした守れないルールのほか複雑で分かりにくい道交法の改正をTOJでも訴えかけていきたいと思います。
ツアー・オブ・ジャパン組織員会 委員長 田中栄作