ものの始まりなんでも堺
堺ステージ実行委員会
江原政光
[TOJ堺ステージのコース沿いにある仁徳陵古墳の堀。こういった堀が3重に有ります。これを掘るための道具の進化が、現在の金属加工技術の礎に繋がっているのでしょう。]
皆さん、こんにちわ。
ツアー・オブ・ジャパン 堺ステージ実行委員会の江原です。生まれも育ちも堺です。
この堺で子供のころから良く耳にするのが「ものの始まりなんでも堺」という、なんとも地元びいきな言葉です。
これは、堺が昔から貿易で栄えたことに由来していることも関係が深いと思われます。当時の世界の最新情報、技術、製品が入ってくるのが貿易港・堺だったためでしょう。輸入するだけでなく、堺の人々がそれらの技術・物品を活かして様々な新しいものが生みだしたこともこの言葉に込められていると思います。
例えば、仁徳陵古墳をはじめとする百舌鳥・古市古墳群の造営に際し、その造営のための道具や副葬品の製作のために、沢山の金属加工職人さんが堺近辺に集まったと言われています。堺は金属加工技術の一大集積地になったと思われます。
のちにタバコの葉の輸入が始まると、それを刻むための「タバコ包丁」や、ポルトガルから伝わった鉄砲の生産へと繋がって行きました。
昔から包丁作り、鉄砲作りは、各部品をそれぞれ専門の職人さんが作り、それを組み合わせて完成させる社会的分業制で行われています。この分業体制がのちに世界の自転車生産拠点となる堺の礎になったと言われています。
この社会的分業制は、お互いの信頼関係があってこそ成り立つものです。
ツアー・オブ・ジャパンをはじめとする自転車レースも分業制と言えると思います。各チームにはエース選手が居て、それを助けるアシスト選手が居ます。さらに監督、スタッフもそれぞれの役目があります。もっと言うと、レース運営を支える審判、役員も自転車レースを構成している一部と言えます。
そして、なによりレースを盛り上げる役割は観客の皆さんです。これらが一体となって、はじめてレースが成立します。
それぞれの役目を果たすために、皆さんも今から予定表に「ツアー・オブ・ジャパン」を書き込んでいただければと思います。
もちろん、第一ステージは2017年5月21日、「ものの始まりなんでも堺」の堺からです。レース会場内には、堺市博物館や自転車博物館サイクルセンターもありますので、前述の堺の歴史などを含め、色々なことをより深く知っていただけると思います。是非足を運んでみてください。
堺ステージ 実行委員会 江原政光
参考リンク: